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【2021年1月】歌舞伎公演情報!新年のはじまりに歌舞伎を見よう

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令和三年(2021年)1月歌舞伎公演情報を紹介します。

2020年は新型コロナウイルス感染拡大防止のために、3月から5ヶ月にもおよぶ休演を余儀なくされ、再開後も公演時間や出演者を減らし、観客も半分だけという制約の中で歌舞伎の火を消さない努力がなされてきました。

2021年になっても従来通りの公演ではなく、歌舞伎座では3部制で観客は半分だけで行い、大向うも禁止されるなど、まだまだ本来の歌舞伎の公演とは程遠い状況ですが、新しい年を迎えるにあたって歌舞伎は様々なめでたい演目と共に開演します。

この記事では、新年始まりの1月に開催される歌舞伎公演劇場演目配役みどころなどを一覧で紹介します。ぜひ、一年の始まりに歌舞伎を観劇する参考にしてくださいね。

歌舞伎座


新年の歌舞伎がもっとも早く見られるのが歌舞伎の総本山とも言える歌舞伎座です。

壽初春大歌舞伎ことぶきはつはるおおかぶきと銘打たれた公演には、ベテランから若手まで、多くの人気役者が登場し、一年の最初にふさわしい華やかな舞台を見せてくれます。

※1月7日の緊急事態宣言の発令を受けて第三部の公演時間に一部変更がありました。詳しくは公式サイト歌舞伎美人の「1月8日(金)以降の歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」の上演についてのお知らせ」を御覧ください。

 

壽初春大歌舞伎

壽 初春大歌舞伎
※公演終了
日時
令和3年(2021年)1月2日(土)~27日(水)
※休演日 12日(火)、19日(火)
劇場
歌舞伎座

第一部


上演開始時間
午前11時~
演目(一)
壽浅草柱建ことほぎてはながたつどうはしらだて
配役
【曽我五郎時致】 尾上松也
【曽我十郎祐成】 中村隼人
【小林朝比奈】 坂東巳之助
【大磯の虎】 中村米吉
【化粧坂少将】 中村莟玉
【喜瀬川亀鶴】 中村鶴松
【茶道珍斎】 中村種之助
【小林妹舞鶴】 坂東新悟
【工藤左衛門祐経】 中村歌昇
演目(二)
猿翁十種の内 悪太郎あくたろう
配役
【悪太郎】 市川猿之助
【修行者智蓮坊】 中村福之助
【太郎冠者】 中村鷹之助
【伯父安木松之丞】 市川猿弥
見どころ
壽浅草柱建」は、例年正月に行われていた新春浅草歌舞伎に登場していた役者たちによって、「曽我もの」では珍しい長唄舞踊の「新柱建」を再構成した、新年の幕開けを祝う縁起のよい演目です。「悪太郎」は、昨年からあらゆるメディアで引っ張りだこの人気役者・市川猿之助が愛嬌のあるキャラクターをおもしろおかしく演じる舞踊劇で、新しい年を笑いで迎えたい人にオススメです。

※「壽浅草柱建」に出演していた中村莟玉は体調不良のため休演となっていましたが、1/13から復帰しています。

>>壽 初春大歌舞伎の詳細はコチラ

第二部


上演開始時間
午後2時45分~
演目(一)
坂田藤十郎を偲んで
夕霧名残の正月ゆうぎりなごりのしょうがつ 〜由縁の月〜
配役
【藤屋伊左衛門】 中村雁治郎
【扇屋夕霧】 中村扇雀
【太鼓持鶴七】 中村亀鶴
【同 亀吾】 中村虎之助
【同 竹三】 中村玉太郎
【同 梅八】 中村歌之助
【扇屋番頭藤兵衛】 中村寿治郎
【扇屋女房おふさ】 上村吉弥
【扇屋三郎兵衛】 中村又五郎
演目(二)
仮名手本忠臣蔵かなでほんちゅうしんぐら 〜祇園一力茶屋の場〜
配役
【大星由良之助】 中村吉右衛門(〜1/16,1/25〜)
中村梅玉(1/17〜1/24)
【遊女おかる】 中村雀右衛門
【鷺坂伴内】 中村吉之丞
【斧九太夫】 嵐橘三郎
【寺岡平右衛門】 中村梅玉(〜1/16,1/25〜)
中村又五郎(1/17〜1/24)
見どころ
夕霧名残の正月」は、昨年末に亡くなった、四代目坂田藤十郎が生前何度も演じた伊左衛門を長男の中村雁治郎が演じ、夕霧を次男の中村扇雀が演じて、名優・坂田藤十郎の舞台を偲ぶ演目となっています。「祇園一力茶屋の場」は、忠臣蔵でも人気の演目ですが、中村吉右衛門中村梅玉らのベテラン俳優陣が伝統的な義太夫狂言を演じる貴重な舞台です。

※「祇園一力茶屋の場」に出演していた中村吉右衛門は体調不良のため休演していましたが、1/25から復帰しました。

>>壽 初春大歌舞伎の詳細はコチラ

第三部


上演開始時間
【1/10まで】午後6時45分~
【1/11〜】午後6時20分~午後8時まで
演目(一)
菅原伝授手習鑑すがわらでんじゅてならいかがみ 〜車引〜
配役
【松王丸】 松本白鸚
【梅王丸】 松本幸四郎
【桜丸】 市川染五郎
【杉王丸】 大谷廣太郎
【金棒引藤内】 松本錦吾
【藤原時平】 坂東彌十郎
演目(二)
らくだ
配役
【手斧目半次】 中村芝翫
【紙屑買久六】 片岡愛之助
【駱駝の馬太郎】 中村松江
【半次妹おやす】 市川男寅
【糊売婆おぎん】 中村梅花
【家主女房おいく】 坂東彌十郎
【家主佐兵衛】 市川左團次
見どころ
車引」は、様式美あふれる華やかな舞台を、高麗屋三代(松本白鸚、松本幸四郎、市川染五郎)が松王丸、梅王丸、桜丸の三兄弟を演じることで注目の演目です。「らくだ」は、遊び人の半次と小心者の久六が酒に酔ってお互いの立場が入れ替わる様子が楽しい落語を元にした笑いあふれる演目です。

>>壽 初春大歌舞伎の詳細はコチラ



大阪松竹座

大阪では坂東玉三郎大阪松竹座に登場し、美しい舞踊で2021年の歌舞伎の幕を開けます。
 

坂東玉三郎初春特別舞踊公演

坂東玉三郎初春特別舞踊公演 ※公演終了
劇場
大阪松竹座
日程
令和3年(2021年)1月2日(日)~19日(火)
開演:午後2時~
※休演日 6日(水)、10日(日)、15日(金)、16日(土)
演目(一)
お年賀 口 上
配役
坂東玉三郎
演目(二)
賤の小田巻しずのおだまき
配役
【静御前】 坂東玉三郎
演目(三)
傾城雪吉原けいせいゆきのよしわら
配役
【傾城】 坂東玉三郎
見どころ
坂東玉三郎の新年の挨拶口上から始まり、当代最高の女形の繊細で幽艶な舞踊が現実を忘れた別世界へと誘います。

>>坂東玉三郎初春特別舞踊公演の詳しい情報はコチラ



新橋演舞場


昨年の公演自粛以降は歌舞伎公演が行われていない新橋演舞場ですが、2021年は1月から昨年同様「海老蔵歌舞伎」で開幕します。

歌舞伎十八番の「毛抜」が上演され、海老蔵の二人の子どもたちも、市川ぼたんが「藤娘」、堀越勸玄が「橋弁慶」でそれぞれ登場し、千穐楽公演はHulu有料動画配信され、1月24日まで見ることができます。
 

初春海老蔵歌舞伎


初春海老蔵歌舞伎 ※公演終了
劇場
新橋演舞場
日程
令和3年(2021年)1月3日(日)~17日(日)
昼の部 午前11時30分~
夜の部 午後4時30分~
※昼夜同一公演
演目(一)
春調娘七種はるのしらべむすめななくさ
配役
【曽我五郎】 市川右團次
【静御前】 中村児太郎
【曽我十郎】 中村壱太郎
演目(二)
歌舞伎十八番の内 毛抜
配役
【粂寺弾正】 市川海老蔵
【秦民部】 市川男女蔵
【腰元巻絹】 中村壱太郎
【秦秀太郎】 中村児太郎
【小野春風】 大谷廣松
【八剣数馬】 市川九團次
【小原万兵衛】 片岡市蔵
【小野春道】 市川齊入
【八剣玄蕃】 市川右團次
演目(三) 上
藤 娘ふじむすめ
配役
【藤の精】 市川ぼたん
演目(三) 下
橋弁慶はしべんけい
配役
【武蔵坊弁慶】 市川海老蔵
【牛若丸】 堀越勸玄
見どころ
毛抜」は成田屋のお家芸・歌舞伎十八番の一つであり、知性と武勇と愛嬌を併せ持った主人公の粂寺弾正を演じる市川海老蔵に注目です。

>>初春海老蔵歌舞伎の詳しい情報はコチラ

初春海老蔵歌舞伎の千穐楽の公演がオンライン有料動画配信されることになりました! 劇場に来れない人も見ることができますよ。チケット販売期間は1月24日(木)19時までで、見逃し配信は1月18日(月)17時〜1月24日(木)23時59分までになります。

>>新橋演舞場「初春海老蔵歌舞伎」千穐楽公演オンライン生配信決定

歌舞伎十八番の内「毛抜」については以下の記事も御覧ください。




国立劇場


2021年も国立劇場は菊五郎劇団による歌舞伎公演が行われます。歌舞伎再開後は短い演目の上演が多い中で、3時間に渡る貴重な「通し狂言」の上演です。

菊五郎劇団は例年、前の年の出来事や世相をパロディーで見せてくれますが、今年は何を見せてくれるのでしょうか?
 

令和3年初春歌舞伎公演「四天王御江戸鏑」


令和3年初春歌舞伎公演「四天王御江戸鏑」 ※公演終了
劇場
国立劇場
日程
令和3年(2021年)1月3日(日)~27日(水)
※休演日 14日(木)
開演:12時〜(15日は午後4時開演)
演目
通し狂言 四天王御江戸鏑してんのうおえどのかぶらや
四幕六場
序幕  相馬御所の場
二幕目 第一場 羅生門河岸中根屋座敷の場
    第二場 同 花咲部屋の場
三幕目 第一場 二条大宮源頼光館の場
    第二場 同 寝所の場
大詰  北野天満宮の場
配役
【鳶頭中組の綱五郎実ハ渡辺源次綱】 尾上菊五郎
【茨木婆実ハ良門伯母真柴/一条院】 中村時蔵
【相馬太郎良門/平井左衛門尉保昌/袴垂保輔】 尾上松緑
【女郎花咲実ハ葛城山の土蜘蛛の精/大宅太郎光圀】 尾上菊之助
【やきいもの金/碓井靫負尉貞光】 坂東彦三郎
【はらぶとの福/酒田主馬佑公時】 坂東亀蔵
【源頼光】 中村梅枝
【三番叟(3~15日)/卜部勘解由季武】 中村萬太郎
【鰈七郎盛付】 市村竹松
【三番叟(16~27日)/弁の内侍】 尾上右近
【鮃九郎一裂】 市村光
【たるぬきの正】 市村橘太郎
【伴森右衛門】 片岡亀蔵
【皮肉の喜兵衛】 河原崎権十郎
【豊後次郎忠政】 坂東秀調
【鰊の局】 市村萬次郎
【西光坊天山】 市川團蔵
【星鮫入道蒲鉾】 坂東楽善
見どころ
10年前の正月に同じ国立劇場で復活上演された演目です。平安中期を舞台に源頼光の四天王の活躍を描く中で、尾上菊五郎家の家の芸である「土蜘蛛」も登場します。土蜘蛛の力を借りて反逆を企てる相馬太郎良門に源頼光と四天王が立ち向かい、思いもよらぬ展開と華やかな趣向が楽しめる見ごたえある通し狂言です。

>>令和3年初春歌舞伎公演「四天王御江戸鏑」の詳細はコチラ

まとめ:新年にふさわしい縁起物演目は必見

2020年は新型コロナウイルスの流行の影響で厳しい状況におかれた歌舞伎界ですが、様々な感染対策を施しながら2021年は1月から開幕しました。

総本山の歌舞伎座では、昨年テレビで活躍した松本幸四郎市川猿之助を始めとしたベテランから若手まで多くの人気役者が出演して、新年にふさわしい華やかな舞台を見せてくれます。

大阪松竹座では当代最高の女形・坂東玉三郎による現実を忘れるような幽艶で華麗な舞踊が披露されます。

新橋演舞場では市川海老蔵による歌舞伎十八番「毛抜」が上演され、延期されている團十郎襲名に向けての意気込みを感じさせます。

国立劇場では菊五郎劇団による見ごたえある通し狂言の「四天王御江戸鏑」が上演され、久々にじっくりと歌舞伎を楽しむことができる舞台となっています。

各劇場とも様々な感染対策を施して、万全の体制で新しい時代の歌舞伎を見せてくれます。ぜひ新年を歌舞伎観劇でスタートしてみてくださいね。

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