2026年の歌舞伎を占う!2025年歌舞伎座・観客動員ランキング
「令和七年(2025)、歌舞伎座でいちばん観客を呼んだ役者は誰だったのか?」
令和八年(2026)の歌舞伎の隆盛を占うために、本記事では
令和七年(2025)の歌舞伎座予約数をもとに、
どの役者が最も観客を呼んでいたのかを検証し、ランキング形式でまとめてみました。
本記事で使用している予約数データは、2025年の「チケットウェブ松竹」に掲載されていた
歌舞伎座の日毎の予約状況を、著者が公演前日〜開演30分前までに目視で確認・集計したものです。
公式データではなく、集計できなかった日や当日席の観客数は含まれていませんが、
年間の傾向を把握するための目安としてご覧ください。
2025年に、もっとも客席を埋めたのはどの公演だったのか?
そして、もっとも観客を呼ぶ力を発揮した役者は誰だったのか?
2026年の歌舞伎観劇を占うヒントとして、ぜひ最後までご覧ください。
目 次
令和七年(2025)歌舞伎座の公演ごとの観客予約数ランキング
令和七年(2025)の歌舞伎座では、すべての月で歌舞伎公演が開催されました。その内、通常の昼夜二部制の公演が9公演。三部制が3公演となっています。
それでは早速、月の”部”ごとの歌舞伎座の観客数(予約率)のトップ5をイラストにしましたのでご覧ください。(予約率は四捨五入)

2025年歌舞伎座予約率ランキングTOP5
ご覧のような結果になりました。
今年は映画『国宝』大ヒットの効果もあってか、予約で100%の部が8部もありました。
1位は三谷幸喜による爆笑コメディー『歌舞伎絶対続魂』です。松本幸四郎をはじめとする人気役者が揃い、歌舞伎を知らなくてもまさに爆笑できる内容が多くの観客を呼び込みました。
2位は8月の第二部ですが、実は四捨五入無しで完全な予約率100%だったので、1位にするか悩みましたが、日数が1日少ないのと3部制の公演であったことから2位にランキング。坂東玉三郎の新作『火の鳥』に若手で人気急上昇中の市川染五郎、市川團子が出演するということで上演前から話題沸騰。12月にすぐ再演されるほどの人気になりました。
3位以降は歌舞伎三大名作が並び、ほぼ片岡仁左衛門出演の部ということになっています。仁左衛門は11月に文化勲章を受賞しており、まさに円熟の年だったのではないでしょうか。
ただし、三大名作はABプログラムが分かれているので各部をさらにABにわけたこのランキングでは日数的には半分になります。公演期間が短いぶん、1ヶ月通しての公演に比べると予約率が高くなりやすい(満席を維持しやすい)傾向があると言えます。そのため、単純に他の公演より人気があったとは言い切れない部分もあります。
なお、他のすべての公演を含めた各部ごとの(ABプロがある場合はそれも別々にカウント)公演日数、予約率、達人ポイントは次の表になります。
※表にある「達人ポイント」に関しては、ごく簡単に順位を表すために「歌舞伎の達人」で独自に用いた指標です。詳しくは最後の説明をご覧ください。
| 公演 | 日数 | 予約率(%) | 達人ポイント |
|---|---|---|---|
| 1月昼 | 23 | 84 | 1932 |
| 1月夜 | 23 | 80 | 1840 |
| 2月昼 | 22 | 86 | 1892 |
| 2月夜 | 22 | 95 | 2090 |
| 3月昼A | 11 | 100 | 1100 |
| 3月昼B | 11 | 99 | 1089 |
| 3月夜A | 11 | 93 | 1023 |
| 3月夜B | 11 | 100 | 1100 |
| 4月昼 | 21 | 93 | 1953 |
| 4月夜 | 21 | 92 | 1932 |
| 5月昼 | 24 | 100 | 2400 |
| 5月夜 | 24 | 92 | 2208 |
| 6月昼 | 24 | 86 | 2064 |
| 6月夜 | 24 | 94 | 2256 |
| 7月昼 | 20 | 99 | 1980 |
| 7月夜 | 20 | 97 | 1940 |
| 8月一部 | 22 | 88 | 1936 |
| 8月二部 | 22 | 100 | 2200 |
| 8月三部 | 22 | 97 | 2134 |
| 9月昼A | 11 | 100 | 1100 |
| 9月昼B | 10 | 100 | 1000 |
| 9月夜A | 11 | 91 | 1001 |
| 9月夜B | 10 | 90 | 900 |
| 10月A一部 | 10 | 99 | 990 |
| 10月A二部 | 10 | 84 | 840 |
| 10月A三部 | 9 | 99 | 891 |
| 10月B一部 | 10 | 98 | 980 |
| 10月B二部 | 10 | 100 | 1000 |
| 10月B三部 | 11 | 96 | 1056 |
| 11月昼 | 23 | 92 | 2116 |
| 11月夜 | 23 | 100 | 2300 |
| 12月一部 | 21 | 78 | 1638 |
| 12月二部 | 21 | 80 | 1680 |
| 12月三部 | 21 | 87 | 1827 |
令和七年(2025)歌舞伎座でもっとも活躍した役者は誰?
ここからは、いよいよ役者別のランキングを見ていきます。
前の章で見てきたように、2025年の歌舞伎座は月や部によって客席の動きに大きな差がありました。同じ年でも、「どの公演に、どの役者が、どのくらい関わっていたのか」によって、観客動員への影響は大きく変わってきます。
そこで、各公演の予約率と公演日数をもとに、主役級として出演した役者ごとに「達人ポイント」を集計しました。
このランキングでは、単発で話題になった公演よりも、一年を通して歌舞伎座の舞台に立ち続け、なおかつ客席を動かしていた役者ほど、上位に来る仕組みになっています。
2025年、歌舞伎座で最も存在感を放っていたのは誰だったのか。
それではまず、達人ポイントによる役者ランキングTOP10をイラストでご覧ください。なお、出演部数は”主役級”の役での出演部数なので、実際の出演数と一致しない場合があります。

2025年歌舞伎座でもっとも活躍した役者ランキングTOP10
| 順位 | 役者名 | 出演部数 | 達人ポイント合計 |
|---|---|---|---|
| 1 | 松本幸四郎 | 11 | 17974 |
| 2 | 尾上松緑 | 10 | 15786 |
| 3 | 尾上菊五郎(八代目) | 8 | 14030 |
| 4 | 中村隼人 | 7 | 10922 |
| 5 | 坂東巳之助 | 6 | 10836 |
| 6 | 市川團十郎 | 5 | 10784 |
| 7 | 中村勘九郎 | 6 | 10252 |
| 8 | 市川染五郎 | 6 | 9910 |
| 9 | 尾上右近 | 6 | 8895 |
| 10 | 坂東玉三郎 | 4 | 8517 |
| 11 | 片岡仁左衛門 | 6 | 8296 |
| 12 | 片岡愛之助 | 4 | 6292 |
| 13 | 市川團子 | 3 | 5031 |
| 14 | 中村時蔵 | 3 | 4424 |
| 15 | 中村七之助 | 3 | 4400 |
| 16 | 尾上菊五郎(七代目) | 2 | 4324 |
| 17 | 中村梅玉 | 2 | 4292 |
| 18 | 中村扇雀 | 2 | 4048 |
| 19 | 中村獅童 | 2 | 3318 |
| 20 | 中村錦之助 | 1 | 2400 |
まとめ:2025年の歌舞伎座は…
2025年の歌舞伎座は、三谷幸喜による新作コメディが予約率トップを飾り、坂東玉三郎の『火の鳥』が若手を引き連れて大ヒットするなど、「新しい歌舞伎」が観客を強く惹きつけた一年でした。一方で、片岡仁左衛門による古典の名作も変わらぬ強さを見せ、まさに多様性に富んだラインナップとなりました。
役者別に見ると、松本幸四郎が質・量ともに圧倒的な貢献度を見せ、「現在の歌舞伎座の顔」であることを数字で証明しました。
しかしそれだけでなく、若手の中村隼人や坂東巳之助らが主役を勤め、さらに若い市川染五郎といった次世代のスターたちが、活躍する土台を築いた一年だったのも、歌舞伎界としては大きな収穫と言えるでしょう。
来る令和八年(2026)は、このランキングには出ていませんが、中村鶴松が初代 中村舞鶴を、尾上左近が六代目 尾上辰之助襲名するという大きなイベントが決まっています。高麗屋の躍進は続くのか、若手がどう成長するのか、そして人間国宝たちがいかなる至芸を見せてくれるのか……。
2026年も、ぜひ歌舞伎座へ足を運び、その熱気を肌で感じていきましょう。
令和八年(2026)最初の歌舞伎公演情報はコチラを御ご覧ください。
達人ポイントとは
達人ポイントは、「歌舞伎座で、どれだけ主役級として活躍し、そのときどれだけ客を集めていたか」を、ざっくり一つの数字にしたものです。
考え方はとても単純で、
(主役、またはそれに準ずる重要な役で出演した部数)
×(その部に出演した日数)
×(その部の予約率)
この3つを掛け合わせた数値を、一年分積み上げています。
つまり、歌舞伎座で
- 主役クラスとして何度も舞台に立ち
- 公演日数も多く
- そのとき客席がよく埋まっていた
役者ほど、達人ポイントは大きくなります。
逆に、出演回数が少なかったり、出演していても客席の動きが小さかった場合は、数字もそれなりになります。
このポイントは、役者の格付けや人気投票を目的としたものではありません。
2025年の歌舞伎座という一つの劇場で、一年間どれだけ「主役として存在感を示していたか」を把握するための目安として用いています。
参考資料
一部AIを用いたライティング・画像編集支援を行っていますが、最終的な編集・事実確認・表現調整はすべて人の手で行っております。










以上のような結果になりました。
1位は松本幸四郎です。主役級の出演は11部、7月は自身の新作『鬼平犯科帳』を上演するなど、まさに現在の歌舞伎座の顔という感じですね。息子の市川染五郎も8位となっており、2026年も高麗屋の舞台が歌舞伎座を席巻しそうですね。
2位は尾上松緑。幸四郎に次ぐ出演数と、代名詞となりつつある「講談シリーズ」による新作を今年もリリース。2026年は成長著しい長男・尾上左近が尾上辰之助を襲名し、尾上松緑家にとってメモリアルイヤーとなりそうです。
3位は八代目 尾上菊五郎です。何と言っても、5、6月の菊五郎・菊之助ダブル襲名が大きかった。ただ、その後は襲名で地方を回ることが多かったので、この順位ということでしょうか。
ただ、このランキングを見ておかしいと思われる方も多いかもしれません。なぜなら、坂東玉三郎が10位、片岡仁左衛門(11位)が入っていないというのは不思議な気がします。
このランキングは出演部数、それも日数が多いほどポイントが増えるということになるので、存在感のわりに出演数自体は少ない玉三郎と、Aプロだけというような出演が多かった仁左衛門には不利になったようです。
以下は20位までのポイントランキングを表にしたものです。