【観劇記】2026年5月 歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」夜の部 〜尾上辰之助襲名披露と同世代“團菊”揃い踏み!〜

【観劇記】2026年5月 歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」夜の部 〜尾上辰之助襲名披露と同世代“團菊”揃い踏み!〜

2026年5月26日、🎭歌舞伎座で開催された『團菊祭五月大歌舞伎』夜の部を観劇してまいりました✨

今回の夜の部は、三代目 尾上辰之助襲名披露という大きな節目の公演🎉 襲名披露狂言となった『鬼一法眼三略巻きいちほうげんさんりゃくのまき』では、辰之助が牛若丸として颯爽と登場🐉 さらに後半には、團菊祭ならではの歌舞伎十八番『助六由縁江戸桜すけろくゆかりのえどざくら』が控えるという、とにかく“主人公がカッコいい”演目が並ぶ、実に華やかな夜の部となっていました✨

また記事の最後では、2026年5月の歌舞伎座集客状況についても、恒例の予約率データとともにご紹介しています📊
GW期間、そして辰之助襲名がどれだけ客席を盛り上げたのか――。
どうぞ最後まで、ごゆっくりお付き合いください🍵


今回の公演の詳細については「歌舞伎美人」をご確認ください👇
➡️ 令和8年5月歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」




☀️開演前 〜辰之助襲名ムード漂う木挽町広場へ〜

2026年5月「團菊祭五月大歌舞伎」が開催されている歌舞伎座前
2026年5月「團菊祭五月大歌舞伎」が開催されている歌舞伎座前

朝から観劇にはもってこいの良い天気となりました✨

半袖でもいいくらいの暖かさですが、歌舞伎座内は冷房が効くので、長袖シャツに防寒用のパーカーも持参します。

日比谷線に乗って、15時頃に東銀座へ到着🚇

24日までは「辰之助襲名記念車両」が走っていたらしいのですが、ちょっと遅かったのが残念です😅

地下の木挽町広場へ向かうと、“虎蔵”と“五郎”に扮した辰之助の等身大サイズほどの立て看板や、襲名記念グッズも並び、さっそく襲名ムードが漂っています🎉

木挽町広場に設置された三代目尾上辰之助の襲名演目の立て看板
木挽町広場に設置された三代目尾上辰之助の襲名演目の立て看板

昨年の菊五郎襲名ほど大規模ではないものの、劇場全体から「若き辰之助を盛り上げよう」という空気が感じられ、こちらのテンションも自然と上がって参ります😊

チケットを発券し、筋書も購入して準備万端。しかし、まだ少し時間があります。

そういえば歌舞伎座ギャラリーで辰之助襲名披露関連の展示でもやっていないかなと思い、ちょっと覗いてみることにしました。

特に襲名関係の展示は行われていませんでしたが、松竹公式YouTubeチャンネル『かぶチャン』で、ヒコロヒーが探していた“さかさ鳳凰”を思い出し、自分も探してみることに。

すると……ありました、ラッキー‼️

五エ門階段の「さかさ鳳凰」
五エ門階段の「さかさ鳳凰」発見

以前探した時は、「マーク自体が左右反転している」のだと思い込んでいたため見つけられなかったのですが、『かぶチャン』を見て「鳳凰のクビが逆を向いている」のだと分かったので、そこを意識するとすぐ発見できました👀

それでは縁起の良い気分のままに、いざ歌舞伎座内へGO!🎭

🐉『鬼一法眼三略巻』〜7年ぶりの『菊畑』と辰之助襲名披露〜

『鬼一法眼三略巻』の絵看板
『鬼一法眼三略巻』の絵看板

夜の部最初の演目は『鬼一法眼三略巻きいちほうげんさんりゃくのまき』、通称『菊畑』です。

この演目は、私が歌舞伎座で初めて観た演目でもあり、その時は“中村梅丸改め中村莟玉”の改名披露(初代なので襲名ではない)でもあったので、実に感慨深いものがあります。

もっとも当時は、歌舞伎自体もDVDでいくつか観た程度。内容などほとんど理解できず、途中で突然口上が始まり、「え、こんな中途半端なところで終わりなの?」と思ったら、そのあと普通に芝居が再開して、「なんだこれ!?」と驚いた――という記憶ばかりが強く残っています😅

今回は、その時以来となる7年ぶりの『菊畑』。しかも三代目 尾上辰之助襲名披露演目ですからね〜、これは実に楽しみです✨

そうそう、今回は襲名披露の祝幕も登場しています。

三代目尾上辰之助襲名披露の祝幕
三代目尾上辰之助襲名披露の祝幕

辰之助襲名に合わせ、一匹の“辰(龍)”が大きく描かれたもの。神田松鯉寄贈とのことですが、長い龍が幕の中をうねるように描かれている姿は、どこか『まんが日本昔話』を思い出しますね🐉
……もっとも、辰之助くん本人はたぶん知らないでしょうけど(笑)

そしていよいよ幕が開くと、今度は浅葱幕が現れ、「よいしょ〜」という大向うとともに振り落とされます。

「“よいしょ〜”??? そんな大向うあったっけ……?」

などと思いながらの開演です。

まずは、新辰之助の父であり、“旧辰之助”でもある尾上松緑が“智恵内”として登場。さらに“鬼一法眼”の坂東彦三郎とともに、音羽屋のベテラン勢が、新辰之助登場前の“露払い”のように場の空気を整えていきます。

そこへ戻ってくる“虎蔵実は牛若丸”の新辰之助🎉
初々しい若武者の姿に、客席からは盛大な拍手が送られます。

皆鶴姫を置いて一人戻った“虎蔵”を、“鬼一法眼”は叱責し、“智恵内”に杖で打てと命じます。

しかしそこへ、中村時蔵の“皆鶴姫”が止めに入り、さらに坂東亀蔵の“湛海”も登場。役者が揃ったところで――芝居はいったん中断し、ここで襲名披露口上が始まります。

7年前はポカンとしていた場面ですが、今回は「待ってました!」という気持ち✨
これぞ歌舞伎ならではの楽しみですね。

もっとも、挨拶自体は比較的オーソドックスな感じ。

内輪話として印象に残ったのは、「辰之助くんが生まれた時、親戚でもないのに松緑さんと一緒に病院へ駆けつけた」(亀蔵)というエピソードぐらいでしょうか😂

さて、口上も終わり、再び芝居へ。

“虎蔵”と“智恵内”による、二人だけの静かなやりとりが続きます。

この襲名披露舞台の中では、もっとも「親子」の絆を感じさせる場面でしょう。

派手な演出ではなく、静かな芝居だからこそ、“芸の継承”という空気がより際立って感じられます。

……そしてここでも飛ぶ、「よいしょ〜」の大向う。

やっぱりなんか違くね???🤨

と思っていると、時蔵“皆鶴姫”が再登場。

“虎蔵”への思いが語られますが、若々しい“虎蔵”の前では、赤姫が似合う旬の女形・時蔵も、ずいぶん“お姉さん感”がありますね。

そこへ現れた“湛海”を“虎蔵”が斬り捨て、“智恵内”“皆鶴姫”とともに並んで見得。

若々しい新辰之助と、その辰之助をここまで育ててきた父・松緑――。

襲名という特別な舞台の中で、親子の絆と芸の継承を強く感じさせる、見応えたっぷりの『菊畑』となっていました✨




🌸🗡️『助六由縁江戸桜』〜同世代“團菊”揃い踏み!江戸のヒーローここに見参〜

『助六由縁江戸桜』の絵看板
『助六由縁江戸桜』の絵看板

さあ、襲名披露の――と言うより、“團菊祭”のラストを飾るのが、歌舞伎十八番の内『助六由縁江戸桜』です!✨

私がもっとも好きな歌舞伎演目の一つであり、今回は市川團十郎と、八代目 尾上菊五郎という同世代の「團菊」が、初めて『助六』の舞台で揃い踏みとなるという……く〜〜考えるだけでしびれますね〜〜🔥

開演前口上は市川新之助。もう中学生になったのかな?👀
とはいえ、まだまだちっこいので、どこか『忠臣蔵』の時の口上人形を連想させます(笑)

しかし、その口上は実に堂々としたもの。昨年の菊五郎襲名『白浪五人男』で披露された、子供たちだけによる“稲瀬川”でのツラネでも、一番迫力があり、存在感を放っていたように感じました。

すでに歌舞伎座での主演も経験済み。あの天真爛漫なキャラクターは、もしかすると父親以上に人気が出るかもしれませんね😊

そして、『助六』と言えば「河東節十寸見會かとうぶしますみかい」のみなさんです🎵

新之助くんの挨拶に続いて演奏が始まると、大向うからは「ますみかい!」の声も飛びます。

……そういえば、大向うさん、今回はさっきより近くに来てます。

こうして始まった『助六』ですが、まず見どころとなるのは、豪華絢爛な花魁たち🌸

坂東新悟や中村種之助らが美しく並び立つ中、一番の花魁“揚巻”として登場したのは、八代目 菊五郎です✨

今回は観ていませんが、昼の部『六歌仙容彩』では男性の五役を勤め、まさに現在の“兼ねる役者”の最高峰と言える存在でしょう。

同じく“兼ねる役者”を目指す辰之助くんにとっても、目標となる大きな高みなのかもしれませんね。

そしてもう一人の花魁“白玉”は、先ほど『菊畑』にも登場していた中村時蔵。

古典のイメージが強い女形ですが、7月のスーパー歌舞伎『もののけ姫』にも出演予定🍀
スーパー歌舞伎系統への出演は、セカンドも含めて初めてでしょうか? これもちょっと注目ポイントですね。

“髭の意休”は市川男女蔵。

父・左團次さんが得意としていた役で、平成時代はほぼ“意休と言えば左團次”という印象でした。

男女蔵さんにも、どこか左團次さんの面影が重なって見えます。彼が“令和の意休”となっていくのでしょうか。

そしてようやく真打登場――市川團十郎“助六”です🎉

まさに本家の貫禄!……なのですが、今回はどことなく、その眼差しに父・十二代目 團十郎を思わせるような雰囲気がありました。

何か心境の変化のようなものがあったのでしょうか。

いろいろと批判されることも多い團十郎ですが、木を植えたり、自ら写真展を開いたり、オンラインスクールを始めたり、メタバースがどうこうと言ってみたり(笑)、本当にいろいろなことへ挑戦しています。

もちろんハズレもあるのでしょうが、やってみなければ分からないこともあるはず。

そういう意味では、“挑戦し続ける姿勢”そのものは見習いたいものですね。子供たちに、自らの生き様を見せたいという思いもあるのでしょう。

……などと思っていたところへ、今回もう一人の重要な“父親”――松緑“くわんぺら門兵衛”登場です😂

息子の辰之助が演じる“福山かつぎ”に因縁をふっかけていびるという、『菊畑』とはまったく逆の立場なのが面白い(笑)

若さあふれる辰之助くんの啖呵は、切符が良いけれど、まだどこか幼さも残ります。

本人は「最後に父に悪態をつけるのがいい」みたいな話をしていましたが、ちょっと背中越しで、まだどこか“遠慮が残っている”ようにも見えました😅

……そしてここで、重大な事実が発覚します。

“くわんぺら”登場時の大向うが「きおいちょ〜」

――あ、近くで聞いたから分かった。

さっきまで「よいしょ〜」って聞こえてたのも、「きおいちょう〜(紀尾井町)」だったんだ(笑)😂
変だと思ったよ!

そして、“くわんぺら”と子分の“朝顔仙平”をやっつけた“助六”の前に現れたのが、兄の“白酒売新兵衛”の中村梅玉です。

昼の部『寿曽我対面』での凛々しさと比べると、弟“助六”に言いくるめられ、喧嘩の売り方もなんともたどたどしい……😅

この“ちょっと情けない兄・新兵衛”が、まさに梅玉さんの真骨頂です。

とはいえ、弟を心配する優しいお兄ちゃんという部分はブレていません。さすがです✨

そんな兄弟の前に現れたのが、尾上右近演じる通人“里暁りぎょう”。

ここで注目なのが、里暁のセリフと「股くぐり」です👀

“助六”團十郎に対しては、

「はじめて『連獅子』を踊った相手が、團十郎のお兄さんだった」

“新兵衛”梅玉に対しては、

「昨年(2025)『四の切』で“忠信”をやった時、“義経”をやっていただいた」

と、自身との関わりを交えながら紹介していきます。

そして股くぐりですが、“助六”に対しては、なんと今回は仰向けでくぐったのです😂

しかも、くぐった後の一言が――

「安心してください、履いてました(笑)」

完全にアレです(笑)

“新兵衛”に対してはいつも通りでしたが……あれ? なんか足りない気が。

……ああ、“助六”に対してもだけど、くぐる前に股間を臭って顔をしかめるアレがない(笑)

まあ、あの仕草って見ていて気持ちいいものではないので、無くなって良かった気もしますけどね😅

そして揚巻とともに登場した母・“満江”は中村雀右衛門。

初役とのことですが、この人の場合、今さら言うまでもない貫禄です✨

“助六”に紙衣を渡すと、“新兵衛”梅玉さんとともに、大きな拍手を受けながら引っ込んでいきます。

ラストは、“意休”に刀を抜かせることに成功し、ついに探し求めていた「友切丸」であることを突き止めます。

そして、“揚巻”に見送られながら、颯爽と花道を駆けていく“助六”。

……まあ、3階からは見えんけど(笑)😂

それでも、最後まで“江戸のヒーロー”らしい粋な姿で幕となりました✨

たまにはこの後の「水入り」までやってくれないかな〜😊




🌙「團菊祭五月大歌舞伎」夜の部を見終わって

「團菊祭」では九代目團十郎と五代目菊五郎が1階ロビーでお出迎え
「團菊祭」では九代目團十郎と五代目菊五郎が1階ロビーでお出迎え

今回の夜の部を見終わって、まず強く感じたのは、やはり三代目 尾上辰之助襲名披露という節目の大きさでした🎉

『菊畑』では、父・松緑との静かなやりとりの中に、親子の絆と芸の継承がにじみ出ていましたし、『助六』では一転して、“福山かつぎ”として父が演じる“くわんぺら”に悪態をつく辰之助くんの姿が見られるという、なんとも面白い組み合わせでした😂

同じ親子でも、片方はしっとりとした継承の場面、もう片方は対立する江戸の若い衆。
歌舞伎の家の実情を目の当たりにするような面白さがありました。

そして、夜の部全体を通して感じたのは、「若き辰之助をこれからどう育てていくのか」という、歌舞伎界全体の期待と覚悟のようなものでした。

もちろん、啖呵を切るにしても、芝居にしても、まだまだかなと感じる部分はありますが、これからの成長を客席全体で見守るような空気がありましたね。

辰之助にとっても歌舞伎界全体にとっても、今回の襲名披露という舞台が、まさに新しい“はじまりの舞台”なのだな〜と思いました🐉

一方で、『助六』では、市川團十郎と八代目 菊五郎という、同世代の「團菊」が揃い踏み。

まだまだ“團菊”という言葉に、かつての重みや歴史をそのまま重ねるには時間が必要かもしれませんが、かつての“團菊”を知らない私としては、コレ以上の“團菊”はないと思っています。

團十郎が“助六”として江戸の粋を見せ、菊五郎が“揚巻”として華やかに寄り添う姿……これをいつまで観ることができるのか?そして、彼らの息子たちが『助六』を演じる時に、「やっぱ十三代目と八代目には及ばないな」と言いたいものですね✨

個人的には「きおいちょう〜」を「よいしょ〜」と聞き間違えていたことが、今回最大の発見だったかもしれませんが(笑)😂

というところで、今回の観劇記もコレギリといたしとうございます🍵




おまけ:2026年5月の歌舞伎座予約数は?

おまけとして「團菊祭五月大歌舞伎」の予約状況チェックをご覧ください📊
今回も、現時点で歌舞伎座の予約数を「チケットWeb松竹」でミナミが目視で確認した数値をもとに、予約率を共有していきます。
あくまでご参考までに。

「團菊祭五月大歌舞伎」
2026年5月3日〜27日
休演日:9日、19日
公演日数:23日間

■ 今年1〜5月との比較

年月 昼の部 夜の部
2026年1月(22日公演) 100% 90%
2026年2月(24日公演) 98% 81%
2026年3月(20日公演) 87% 77%
2026年4月(24日公演) 80% 90%
2026年5月(23日公演) 94% 97%
2026年の歌舞伎座予約数のグラフ
2026年の歌舞伎座予約数のグラフ

5月の「團菊祭五月大歌舞伎」は、昼の部が23日集計で94%、夜の部は23日公演までのうち22日分の集計で97%となりました。(小数点以下は切り上げ)

やはり、三代目 尾上辰之助襲名披露の効果は大きかったようです✨

昼の部では『寿曽我対面』で辰之助が曽我五郎を勤め、夜の部では『菊畑』で虎蔵実は牛若丸として登場。昼夜それぞれに襲名披露の見どころが用意されていたことも、客席を大きく押し上げた要因ではないでしょうか。

特に夜の部は、『菊畑』に加えて、團菊祭らしい華やかな大作『助六由縁江戸桜』も並び、予約率はほぼ満席に近い97%🎉

1月の初春大歌舞伎以来の高い数字となり、やはり「襲名披露」と「團菊祭」という組み合わせの強さを感じさせる結果となりました。

4月時点では「来月の團菊祭でどれだけお客さんを集められるでしょうか?」と書きましたが、結果としてはかなりの大入り。
若き辰之助の門出を祝うにふさわしい、華やかな5月の歌舞伎座となったようです🎭✨


※本記事内の写真は、すべて劇場にて撮影許可のあった場面、または私的鑑賞記録として撮影したものです。