歌舞伎の初心者におすすめの本11選!必読の入門書を紹介

歌舞伎の初心者におすすめの本11選!必読の入門書を紹介

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歌舞伎を一度は見に行ってみたいと思う人はたくさんいますが、そもそも歌舞伎ってなんなのかよくわからない人や、もっと歌舞伎についていろいろと知ってみたい人のために、歌舞伎初心者にもわかりやすく解説している本を紹介します。

イラスト写真が多くイメージがつかみやすい本や、演目の詳しいあらすじが載っている本、公式のガイドブック歌舞伎の雑誌、歌舞伎がテーマの漫画や、ちょっと違った視点から歌舞伎を解説している本もあります。

みなさんの好みや歌舞伎の観劇スタイルに合わせて、気に入った一冊をぜひ見つけてみてください。

写真やイラストが豊富でわかりやすい本

歌舞伎は個性的な役者さんと派手な衣装や隈取のイメージがあります。そこで豊富な写真イラストを使用した、初心者の方にもビジュアル的に歌舞伎のイメージがつかみやすい本を紹介します。

歌舞伎はじめて案内手帖


現役の歌舞伎役者・松本幸四郎(十代目)が監修した、はじめて歌舞伎を見る人にも写真でとてもわかりやすく解説されている本です。

歌舞伎座での楽しみ方だけでなく、全国の歌舞伎を見られる劇場の紹介や、歌舞伎のいろいろなお約束事、様々なお土産なども紹介されています。

歌舞伎観劇への幸四郎さんの「心地よく優しい誘い」が溢れている一冊です

歌舞伎の解剖図鑑


小粋なイラストに惹かれてページをめくると、いきなり女性週刊誌のスキャンダルのような記事が飛び込んできてびっくり!

歌舞伎の演目の内容をワイドショー仕立てで紹介したり、「九割は犯罪絡み、舞台での犯罪発生率は世界一」と断言したりと、歌舞伎の高尚なイメージを一変させる表現が続々と出てきます

しかし、歌舞伎初心者が知っておくべきポイントをしっかり押さえ、登場人物の心理を表情まで細やかに表現したイラストの一つ一つに、著者の歌舞伎への深い愛情が感じられます。

読んでいると不思議と歌舞伎が身近なものに思えてくる。そんな気持ちにさせてくれる一冊です

さらに詳しく演目を解説した本「歌舞伎の101演目 解剖図鑑」も発売されています。

かぶき手帖

公益社団法人日本俳優協会が毎年発行している、協会所属の歌舞伎役者の名鑑です。(画像は2020年版)

歌舞伎を支えているのはなんといっても役者です。300名以上の歌舞伎役者の最新プロフィールはもとより、歌舞伎役者が自身で選んだ数々の舞台写真がリアルな歌舞伎の今を映し出します。

役者の家系図や劇場の案内図も載っており、歌舞伎にまつわる様々な特集コーナーもあります。

2021年版は2020年の舞台がコロナ禍の影響で少なかったこともあって発売されませんでしたが、2022年版から復活しました。最新の2023年版の購入は以下のリンクを御覧ください。
>>かぶき手帖 2023年版

[新版]あらすじで読む名作歌舞伎50選


歌舞伎にはどんな役者がいるのかわかっても、演じられる芝居のあらすじを理解できなければ舞台を楽しむことはできません

この本では歌舞伎の名作と呼ばれる作品について、

  1. 上演回数の多さ
  2. すべてのジャンル
  3. 今のはやりの演目

上記の3点を基準として50作品を選び出しています。

あらすじを紹介するだけではなく、それを演じる役者の様子を名前をあげて描写し、舞台の見どころ隠された物語演じられる季節についての考察までも長年歌舞伎を見続けてきた著者ならではの視点で描かれています。

ちょうど見開き1ページで1演目が収まるように、簡潔にまとめられてとても読みやすくなっているのもいいですね。

華やかな舞台写真とともに、読むだけで観劇の世界へとトリップできる一冊です

歌舞伎の最新情報がわかる雑誌

歌舞伎最新情報を定期的に知りたいときは、雑誌を購読してみるのが一番です。バックナンバーも購入することができます。ここで紹介するもの以外でも、松竹歌舞伎会に入会すると毎月会報誌「ほうおう」が送られてきます。

演劇界


唯一の歌舞伎専門月刊誌と銘打たれた雑誌「演劇界」。歌舞伎の最新の公演情報や役者のインタビューなど、「歌舞伎の今」を知るためにはなくてはならない一冊となっています

最新号の4月号の表紙は、歌舞伎座二月大歌舞伎で一世一代と銘打って碇知盛を演じた片岡仁左衛門です。

今号の特集は「御家の重宝」と題して、歌舞伎の中で重宝として扱われる刀や印判など、様々なお宝が紹介されています。また、歌舞伎座で一世一代と称して碇知盛を演じた片岡仁左衛門や、博多座やシアターコクーンでの舞台の様子も紹介されています。

残念ながら、2022年4月号を最後に演劇界は休刊となることが発表されました。唯一の歌舞伎専門誌であり百年以上の歴史を持つ伝統のある雑誌の休刊は残念な限りですが、いつかまた復刊されることを期待したいですね。

和樂(和楽)2020年6・7月号


日本文化の入り口マガジンと銘打たれたのが雑誌「和樂」です。

2020年6・7月号では、市川團十郎白猿襲名を控えた市川海老蔵特集が組まれています。團十郎襲名への思いや、歌舞伎十八番についてなど、海老蔵ファンだけでなく、歌舞伎ファンにとってはぜひとも読んでおきたい一冊となっていますよ。

Pen (ペン) 『特集 永久保存版 初心者のための完全ガイド そろそろ、歌舞伎でも。』


Penは男性向けのカルチャーやライフスタイルを紹介する雑誌です。

歌舞伎は女性ファンが多いのが特徴ですが、あえて男性向け雑誌で歌舞伎を特集するところに「歌舞伎のかっこよさを伝えたい」という、編集部の意気込みを感じさせます

歌舞伎は女が見るものと思っている男性にこそ、ぜひ読んでいただきたい一冊です



漫画で楽しく歌舞伎を学ぼう

今は「ワンピース」や「風の谷のナウシカ」といった漫画を原作とした歌舞伎も上演される時代になりましたが、漫画を通して歌舞伎に親しんでみるのはいかがでしょうか?

マンガでわかる歌舞伎


漫画で歌舞伎を解説すると言うと、ちょっと子供向けな内容なのかなと思いますが、侮るなかれ、読んでみるとその内容の濃さに驚かされます。

二匹の猫が対話する形の漫画で歌舞伎について解説していますが、自分が話を聞いているようでとてもわかりやすくなっています

しかも漫画以外にもかなりの文章が書かれているので、情報量ではむしろ他の入門書よりも多いのではないでしょうか

漫画を先に読んで歌舞伎の大枠を理解して、その後、文章の解説を読んでさらに理解を深めるという読み方がおすすめの一冊です

カブキブ!(漫画・全2巻)


歌舞伎に魅了された高校生が、歌舞伎を上演したいという夢を実現するために、仲間と共に高校で歌舞伎部を設立するという、青春部活動物語です。

こちらは純粋に漫画なので、興味が分かれるところかもしれませんが、若い人には歌舞伎に興味をもつきっかけになるかもしれません

元はライトノベル小説から始まり、アニメ化もされた作品です。

歌舞伎漫画のさきがけとして、一度目を通しておきたい一冊ですね

歌舞伎の歴史や演目のあらすじもわかる一冊

歌舞伎ハンドブック―歌舞伎の全てがわかる小事典


歌舞伎の成り立ちから様々な特徴だけでなく、主な役者や数多くの演目のあらすじなど歌舞伎の全てを網羅した小事典です。

歌舞伎用語の解説役者の系図に、歴史年表から劇場一覧も掲載されており、歌舞伎でわからないことがあればすぐに調べられるようになっています。

歌舞伎をもっと詳しく勉強したい人にとっては、手元に置いておきたい一冊です

ちょっと違う歌舞伎の見方を教える入門書

歌舞伎に行こう!手とり足取り初めから


一度は歌舞伎を見に行かなくちゃ」と思っている人のために書いたと言いながら、「歌舞伎は退屈かと聞かれれば・・・はい退屈です。」と著者は平然と言い放ちます。

しかし、私がこの本を読んでみた感想は、著者の軽妙な語り口の歌舞伎観劇の流れに乗せられてしまい、まるで熟練されたガイドさんにおもしろおかしく案内されながら、気がついたら「歌舞伎ってこんなにおもしろいんだ」という満足感に満たされているようでした

文豪・夏目漱石は歌舞伎が嫌いだった」というエピソードも、私達が歌舞伎を楽しむための一つのエッセンスとして巧みに紹介してくれます。

思わずクスリとしてしまい、いつの間にか歌舞伎を好きになりそうな一冊です

ちゃぶ台返しの歌舞伎入門


戦隊ヒーローの元祖は白浪五人男」という説は、ある程度歌舞伎を知ってる人なら聞いたことがあるでしょう。

でも、どうしてそう思うのかと聞かれても、「五人並んでポーズを取るところが似ているから」というような曖昧な答えしかできないのではないでしょうか。

しかし、本書ではこの説の明確な根拠として、初代戦隊ヒーロー「ゴレンジャー」のプロデューサー平山亨自身が「白浪五人男をモデルにした」と発言している事実を指摘します

著者は従来の入門編ではわからない、実際に歌舞伎を見て感じた“もやもやした気分”を払拭できるような本を目指して書いたそうです。

歌舞伎を見てはみたけど何かよくわからなかったという人は、この本を読んでみると、「ああ、あれにはそういう意味があったのか」、と納得できる一冊になっています

歌舞伎座の歴史がわかるDVD

ここまで歌舞伎に関する本を紹介してきましたが、歌舞伎の殿堂である「歌舞伎座」の歴史をつづったDVDを最後に紹介したいと思います。

わが心の歌舞伎座

2010年4月30日に建て替えのために閉館した第4期歌舞伎座の歴史を、著名な役者さんたちの語る思い出とともに映像で振り返ります。

七世中村芝翫、中村吉右衛門、十二世市川團十郎、坂東玉三郎、五世中村富十郎、十八世中村勘三郎、松本幸四郎(現:白鸚)、中村梅玉、片岡仁左衛門、坂田藤十郎、尾上菊五郎というそうそうたるメンバーのインタビューと名場面で綴るドキュメンタリーです。

今は亡き役者さんも出演されている貴重な映像を、昔の歌舞伎座を知っている人も知らない人も、ぜひ一度見ていただきたい作品です

【予告編】

歌舞伎のDVDについては以下のページも御覧ください。

まとめ

歌舞伎初心者の人にもわかりやすい本を11冊とDVDを紹介してきました。

今は写真イラスト漫画などで、わかりにくかった演目のあらすじなども、わかりやすく紹介してくれる本も多くなりました。

定期的に発行される雑誌で最新情報を知ることができ、DVDなどの映像でも見られるようになることでますます初めて見る人でも歌舞伎に親しみやすくなってきたと言えます。

ここで紹介した本の中で自分に合うと思うものがあれば、ぜひ一度手にとってみてくださいね

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