歌舞伎の演目で有名なものを紹介!初心者におすすめの12作品を解説
歌舞伎初心者の人はどの演目から見るのがいいのか、よくわからなくて悩んでしまいますよね。
ここでは初心者にも見てほしい、オススメの有名な演目12作品を紹介します。
あらすじや見どころも解説しているので、ぜひ歌舞伎を観劇する際の参考にしてください。
目 次
歌舞伎の人気のある有名な演目とあらすじを一覧で簡単に解説
歌舞伎の演目の数は400ぐらいあると言われていますが、実際に上演されているのはそのうちの100演目ぐらいです。
特に人気のあるものや有名な名作と呼ばれるものから、歌舞伎初心者でもわかりやすいものや押さえておくべき名作と呼ばれるものを、演目の種類ごとに分けて解説していきます。
演目の種類は様々な分類の仕方がありますが、できるだけわかりやすくなるように、以下のように分けて紹介します。
歌舞伎十八番 |
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歌舞伎界の宗家とよばれる市川團十郎家が得意とする18演目。荒事と呼ばれる荒々しく激しい演技で有名。内容は以下に説明する「世話物」「時代物」「舞踊劇」を含む。 |
世話物 |
江戸時代の庶民や町人の生活がメインの芝居。セリフがわかりやすく、当時の人たちの日常生活を知ることができる。実際におきた事件などがテーマになっていることも多い。 |
時代物 |
江戸時代から見て昔の時代が舞台になっているもの。忠臣蔵などの当時の事件をそのまま演じるのは江戸幕府が許さなかったので、登場人物の名前や時代設定を昔に変えて演じているものもある。 |
舞踊劇 |
芝居の要素よりも踊りをメインにしたもの。所作事とも呼ばれる。唄や三味線が黒御簾(※1)の中で演奏される芝居と違い、演奏者も舞台上に出て行われる。 |
スーパー歌舞伎II(セカンド) |
三代目市川猿之助によって創作された、今までの歌舞伎の枠にとらわれないテーマを扱った現代的な歌舞伎「スーパー歌舞伎」を踏襲した、四代目市川猿之助による「スーパー歌舞伎II(セカンド)」から2作品を紹介。 |
人気の演目といえば「歌舞伎十八番」
歌舞伎十八番とは市川家のお家芸として制定された18演目です。
この18演目は箱に納めて封印され、安易に披露するものではないとされたことから「おはこ」と呼ばれるようになり、後に得意なことを「十八番(おはこ)」と表現するのはこれが由来だと言う説もありますが、本当は少しちがうようです。
歌舞伎十八番の起源や「おはこ」の由来を詳しく知りたい方はコチラを御覧ください。
歌舞伎十八番はどれも人気のある演目ばかりですが、特に有名なものを3つ紹介します。
助六由縁江戸桜〜江戸一番の色男が花の吉原で大暴れ!
本外題 | 助六由縁江戸桜 |
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通称 | 助六 |
【あらすじ】
江戸一番の伊達男と評判の助六(本名・曾我五郎時致)は、吉原で出会う男に片っ端から喧嘩をふっかけて、相手に刀を抜かせていました。
その助六の恋人で吉原一の花魁・揚巻を、自分のものにしようと狙う権力者のひげの意休は、助六に挑発されてもなかなか刀を抜こうとしません。
助六の兄の親兵衛や母親も登場し、喧嘩ばかりする助六をたしなめます。
助六は代々家に伝わる名刀「友切丸」を捜すために喧嘩をふっかけていることを明かし、再び現れた意休についに刀を抜かせますが・・・
【みどころ】
すべての歌舞伎の演目の中でも華やかさはダントツで、見どころに溢れた芝居です。
舞台に立ち並ぶ色鮮やかな吉原の花魁たちと、その中でも一番の美貌の「揚巻」の衣装の豪華さに目を奪われます。
助六が番傘を持った花道での美しいポーズと自己紹介、そして江戸っ子らしい惚れ惚れするような侠気と喧嘩っぷりなど、すべてが見どころに溢れています。
花のお江戸一番の伊達男、助六の心意気をぜひ堪能してください。
助六由縁江戸桜のもっと詳しい情報は以下のページを御覧ください。
勧進帳〜義経命がけの逃避行、弁慶の飛び六方に注目
本外題 | 勧進帳 |
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【あらすじ】
源義経とその部下たちが東北へ落ち延びるために、山伏に変装して関所を通過しようとするお話です。
関所を守る役人・富樫左衛門は一行を義経ではないかと疑い、山伏なら持っているはずの勧進帳を確認しようとします。
義経の部下・武蔵坊弁慶は何も書いていない巻物を、あたかも勧進帳のように読み上げてごまかし、荷物持ちに変装した義経を「お前のせいで疑われた」と杖で打ち据えます。
本当は義経だとわかっていた富樫は、弁慶の忠義の心に打たれて関所の通過を許すのです。
【見どころ】
歌舞伎十八番でもっとも人気があり上演回数も多い名作です。
弁慶と富樫の緊迫した駆け引きの中で、大きな見得(※2)がいくつも登場するのが見どころです。
最後の弁慶の引っ込みの「飛び六方(※3)」も見逃せません。
歌舞伎屈指の名曲と言われる長唄をバックに、弁慶の忠義心だけでなく情に厚い富樫の演技にも注目してください。
(※3)六方(ろっぽう)とは手足の動きを誇張して歩きや走りを美しく表現すること。右手右足、左手左足を同時に動かす。
勧進帳についてもっと詳しくは以下のページも御覧ください。
暫〜歌舞伎一のスーパーヒーローが悪をこらしめ大活躍!
本外題 | 暫 |
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【あらすじ】
大悪人の清原武衡はたくさんの手下を引き連れて、鶴岡八幡宮の前で通りかかったカップルに嫌がらせをしています。
そのとき、「しばらく〜」という大音声とともに、派手で巨大な衣装に身を包んだ鎌倉権五郎が登場。
権五郎は困っているカップルを助けると、武衡の手下たちの首を一刀のもとにはねてしまいます。
悪を成敗した権五郎が花道を堂々と引き上げて行き幕となります。
【見どころ】
荒々しく激しい演技が特徴の「荒事」の代表的作品です。
主人公・鎌倉権五郎の派手な三本の筋隈と、五本車鬢とよばれる蟹の足のような奇抜な髪型、巨大な衣装に2メートルはあろうかという大太刀を引っさげた姿に圧倒されます。
対する悪役たちもまたキワモノ揃いで、登場人物の奇抜さにおいて群を抜く作品です。
豪快な荒事の中にもユーモアも溢れた、痛快な勧善懲悪劇に喝采を贈ること間違いなしです。
「暫」についてもっと詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。
初心者にもわかりやすい世話物の有名な演目
白浪五人男〜歌舞伎一の決め台詞「知らざあ言って聞かせやしょう」
本外題 | 青砥稿花紅彩画 |
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通称 | 白浪五人男 |
【あらすじ】
<浜松屋の場>
呉服商・浜松屋で万引を疑われた娘が、謎の侍に本当は男だということを見破られると、開き直って、盗賊「弁天小僧菊之助」だと正体を表します。
謎の侍に助けられた浜松屋の店主は、お礼にと一晩の宿を貸しますが、侍の正体は盗賊の首領・日本駄右衛門でした。
弁天小僧も実は盗賊仲間で、店主を信頼させるための芝居だったのです。
駄右衛門は浜松屋にさらなる大金を要求しますが・・・
<稲瀬川勢揃いの場>
五人の盗賊、日本駄右衛門、弁天小僧菊之助、忠信利平、赤星十三郎、南郷力丸は稲瀬川のほとりで追手に囲まれます。
追手の前で一人ずつ自らの素性を語りながら名乗りをあげ、その後追手との組討ちとなります。
<極楽寺山門の場>
寺の屋根の上で弁天小僧が追手たちと組討ちをし、ついには追い詰められて命を落とします。
舞台は桜が満開の山門に変わり、日本駄右衛門と追手の青砥藤綱が対峙します。
駄右衛門はついにお縄にかかるのか・・・
【みどころ】
盗賊をテーマにした演目は「白浪物」と呼ばれますが、その中でも代表的な作品です。
弁天小僧が女装を見破られて開き直る場面で言う、「知らざあ言って聞かせやしょう」のセリフは歌舞伎一の名セリフとして知られています。
五人の悪党が一人づつ「つらね」を言う場面は、名セリフとあいまって見事な錦絵のような美しさです。
また、舞台が後ろにひっくり返って転換する、「がんどう返し」という大掛かりな仕掛けも見逃せません。
美しい錦絵のような場面と見事なセリフが耳に心地よい、見応え聞き応えのある作品を堪能してください。
白浪五人男の名セリフやあらすじについてはコチラを御覧ください。
東海道四谷怪談〜日本一怖い幽霊・お岩さんの怨念がすごい
本外題 | 東海道四谷怪談 |
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通称 | 四谷怪談 |
【あらすじ】
浪人・民谷伊右衛門の妻・お岩は、毒薬を飲まされて醜く顔が崩れてしまいます。
醜いお岩を見た伊右衛門はお岩を捨てようとしますが、それを知ったお岩は怨みを抱いたまま死にます。
怨みを持ったお岩は幽霊となり、伊右衛門だけでなくまわりの人々を巻き込んだ凄惨な復讐劇を繰り広げていきます・・・
【みどころ】
日本の代表的な怪談「お岩さん」の話です。
毒薬を飲まされたお岩が髪をすくと、次々と毛が抜け落ちて顔が醜く崩れていく様は、ぞっとするような恐ろしい場面です。
また、幽霊となったお岩の表現には、「ケレン」と呼ばれる特殊な演出が次々と登場します。
歌舞伎屈指の怪談物語を数々の特殊な仕掛けと、鬼気迫る役者の演技で見せる、お岩の怨みと悲しい心が見どころです。
四谷怪談の詳細な登場人物やあらすじについてはコチラを御覧ください。
昔から有名な時代物の三大名作
義経千本桜〜義経をめぐる様々な主人公の歴史ロマン
本外題 | 義経千本桜 |
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本来は全5段の演目ですが、特に人気があり上演されることが多いものから、平知盛が主人公の二段目「大物浦」を紹介します。
【あらすじ】
<大物浦>
先の戦で源氏に敗れて死んだと思われていた平知盛は、宿屋の主人になりすまして源氏に復讐する機会を狙っていました。
ついに復讐のチャンスが来たとき、知盛は幽霊と思わせるため白装束で出陣します。
しかし、作戦を見破られて破れた知盛は、巨大な錨を自分の体に巻き付けて、錨と共に海に身を沈めるという壮絶な最後を飾ります。
【みどころ】
温厚な宿屋の主人から一転して、白装束姿となって復讐に燃える武将に変貌する知盛に注目です。
ラストで血まみれの知盛が巨大な錨を持ち上げて後ろ向きに海に飛び込み自害する壮絶な場面は、「碇知盛」と呼ばれる大迫力の見せ場です。
平家が滅亡した「壇ノ浦の戦い」を元にしたフィクションですが、滅びゆく平家の悲しみが伝わってくる作品です。
菅原伝授手習鑑〜家族の絆と別れがテーマ
この演目は五段目までありますが、特に人気があり上演回数も多い、四段目の「寺子屋」を紹介します。
【あらすじ】
<寺子屋>
かつて菅丞相に仕えていた武部源蔵は、今は妻と二人で寺子屋を営んでいました。
菅丞相は政争に敗れて九州へ流されますが、このとき源蔵夫妻に息子の菅秀才を密かに預けていました。
しかし、菅秀才を匿っていることが敵方にばれて、その首を差し出せと命令されてしまいます。
悩んだ源蔵は寺子屋にいた小太郎という子供を、菅秀才の身代わりとして差し出すことにします。
首が本物かどうかを改めに使者として来た松王丸は、「首は間違いなく菅秀才のもの」と言って首を持ち帰ります。
源蔵夫妻がほっとしたのもつかの間、松王丸が再び戻ってきて、なんと小太郎は自分の子供だと明かします。
実は松王丸も菅丞相に恩義があったので、その息子を助けるために自分の息子を身代わりにしたのでした。
【みどころ】
菅秀才の首を出せと言われた時の源蔵の苦悩を表す、「せまじきものは宮仕えじゃなあ」の名セリフが有名です。
首桶を開けて確かめる瞬間は、バレるのではないかと固唾を飲んで見守る源蔵夫妻と、自分の子供の首が入っているのかと松王丸も緊張します。
現代では見られない忠義心と、子を思う親心の悲しみに溢れた作品となっています。
仮名手本忠臣蔵〜日本人なら誰もが知る上演回数トップの人気作
本外題 | 仮名手本忠臣蔵 |
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通称 | 忠臣蔵 |
歌舞伎での上演回数も一番の人気作です!
江戸時代は武家の出来事を直接表現できなかったので、足利時代・太平記の時代の出来事として描かれています。
ここでは七段目の「祇園一力」と呼ばれる場面を紹介します。
【あらすじ】
<祇園一力>
主君を不当に切腹に追い込まれた大星由良之助は、仇討ちを誓う本心を隠すために、祇園の一力茶屋(※4)で遊女相手に遊び呆けていました。
そこに仇討ちについて書かれた密書が届き、由良之助は誰もいないのを見計らって密書を読みます。
しかし縁の下から師直のスパイが覗いており、二階からは遊女のお軽に読まれてしまいます。
お軽の兄・寺岡平右衛門は自分を仇討ちに加えてもらうために、秘密を知ったお軽を討ち取り由良之助に差し出そうとしますが、事情を知った由良之助はお軽にスパイを討ち取らせ、平右衛門を仇討ちに加えることにします。
【見どころ】
密書を読む由良之助とそれを盗み読もうとする縁の下のスパイと二階のお軽の三人が、絵画的に整った見事な美しさを見せます。
華やかな祇園の茶屋を舞台にして、様々な立場の登場人物の隠された心理が描かれています。
役者の華麗な舞を堪能できる「舞踊劇」
歌舞伎の舞踊は踊りと演劇の両方の要素を様式化して、美しく演じられるのが魅力です。
連獅子〜獅子親子の愛情を演じる役者親子の共演も見もの
本外題 | 連獅子 |
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【あらすじ】
歌舞伎踊りを生業とする狂言師の右近と左近の二人が登場し、それぞれ獅子頭を持って親獅子、仔獅子として舞い始めます。
親獅子は仔獅子を千尋の谷に突き落としますが、谷を登ってきた子獅子と共に喜んでいると、二人に次第に獅子の精が乗り移り、蝶を追いかけて舞台から出ていきます。
すると、今度は浄土宗の僧・編年と法華宗の僧・運年が登場し、お互いの宗派を巡って滑稽な論争を繰り広げます。
再び現れた狂言師達は姿形も獅子の精となって、長い毛を豪快に振り回して勇壮な舞を披露します。
【みどころ】
全体が切れのいいリズムで流れており、親獅子の精と仔獅子の精が舞台上で長い毛を豪快に振り回す様子は見応えがあります。
獅子の精は役者の親子で演じられることも多く、私が観た11月の歌舞伎座公演では、松本幸四郎、市川染五郎の親子で演じられました。
ときには親獅子一人と仔獅子二人の三人で演じられることもあります。
親獅子が仔獅子を谷底に突き落とす場面は、歌舞伎役者の親から子への厳しい芸の修行を思わせます。
息の合った勇壮で華麗な親獅子と仔獅子の舞が魅力の演目です。
連獅子の詳しい内容については以下の記事も御覧ください。
京鹿子娘道成寺〜いろいろな女心を踊り分ける女形の憧れ
本外題 | 京鹿子娘道成寺 |
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通称 | 娘道成寺 |
【あらすじ】
紀州の道成寺に安珍清姫伝説というものがあります。
清姫は蛇の化身となり狂ったように安珍を追いかけ、釣り鐘の中に隠れた安珍を怨念の炎で焼き殺してしまい、自らも息絶えます。安珍清姫伝説
このときの釣り鐘が再建されることになり、鐘供養のためにたくさんの僧が集まります。
そこになぜか美しい娘が現れ、鐘の前で舞を踊りたいと頼みます。
娘の美しさに見惚れた僧たちが舞を許すと、舞の中で段々と娘の様子が変わっていき、最後には鐘の中に入って、恐ろしい顔の蛇の姿に変わってしまいます。
【見どころ】
娘道成寺と略されることも多い、女形(※5)の役者のあこがれの演目です。
第四期歌舞伎座の閉場式のときには、女形のトップ役者五人で娘道成寺を踊って花を添えました。
様々な女心をひとりの女形が踊り分けるところと、引抜という早変わりのシーンが何度も見られるのが見どころです。
娘道成寺について詳しくはコチラを御覧ください。
若い人にも人気上昇中の「スーパー歌舞伎」
三代目市川猿之助が創始したスーパー歌舞伎は、現代的な新しい斬新な演出が特徴です。
2014年からは四代目市川猿之助によるスーパー歌舞伎IIセカンドが始まり、さらに進化した舞台は多くの若いファンを惹きつけています。
ワンピース〜超人気マンガを歌舞伎で堪能
週間少年ジャンプで連載されている超人気漫画「ワンピース」が、2015年にスーパー歌舞伎IIセカンドとして上演されました。
【あらすじ】
主人公の海賊ルフィは海軍との激しい戦いで、仲間達とばらばらになってしまいます。
ルフィは兄である海賊エースが処刑されることを知ると、エースが囚われている監獄へと救出に向かいます。
監獄へ侵入したルフィはかつての敵ボン・クレーに再会し、共にエースを救出しようと激しい戦いを繰り広げます。
しかし監獄署長マゼランの圧倒的力の前にルフィは窮地に陥り、エースも処刑場へと移送されてしまい・・・
【見どころ】
サーフィンのような宙乗りや、大量の水を使った本水という仕掛けなど、原作の世界観とマッチした歌舞伎的演出が散りばめられています。
主人公の海賊ルフィを演じる四代目市川猿之助は、ワンピースという漫画を読んだこともなかったそうですが、原作を知らなくても楽しめる作品に仕上がっています。
新板(しんぱん)オグリ〜壮大な生命と愛のスペクタクル
【あらすじ】
オグリは文武両道でその容姿も麗しい青年でしたが、自由な生き方を目指して「小栗党」を結成します。
ある時、照手姫という美しい娘を嫁入りの輿入れの中から強奪し、オグリと照手姫は惹かれ合いますが、怒った姫の父親によってオグリたちは殺され、照手姫も川に流されてしまいます。
地獄に落ちたオグリは閻魔大王に逆らって争いますが、結局捕らえられて醜い姿となって現世に返されます。
生き返ったオグリは偶然出会った僧と熊野を目指すことになりますが、途中で再会した照手姫はオグリと分からずにまた別れて行ってしまうのです・・・
【見どころ】
スーパー歌舞伎として三代目市川猿之助が1991年に初演した「オグリ―小栗判官―」を、スーパー歌舞伎IIセカンド「新版オグリ」として2019年に四代目市川猿之助による新たな脚本で復活した作品です。
前出のワンピース以上の大量の水を使った血の池地獄の本水の演出や、新橋演舞場では初めてとなる、上手と下手両側の宙乗りの演出など、かつてない演出とスケールが見どころです。
スーパー歌舞伎について詳しくは以下の記事を御覧ください。
初心者にオススメの演目は?
ここまで歌舞伎初心者が見ておくべきおすすめ12演目を紹介しました。
華やかさや豪快さ、歌舞伎独特の演技が見たいのなら、「歌舞伎十八番」の助六由縁江戸桜、勧進帳、暫がおすすめです。
名セリフと美しい場面なら白浪五人男、怖い話なら東海道四谷怪談などの「世話物」があります。
歌舞伎三大名作の義経千本桜、菅原伝授手習鑑、仮名手本忠臣蔵はどれも見応えのある作品です。
美しい舞と踊りを楽しむなら、連獅子、京鹿子娘道成寺などの「舞踊劇」。
斬新さと派手な演出好きなら、ワンピース、新版オグリなどを生み出した「スーパー歌舞伎IIセカンド」がピッタリです。
ぜひ初めての歌舞伎観劇の参考にしてくださいね。