歌舞伎観劇のマナーは?初心者が押さえておきたい7つのポイント
「歌舞伎を見るときに知っておかないと恥をかく特別なマナーがあるのでは?」
初めて見る人の多くが疑問に思う「歌舞伎のマナー」。
実際に知ってみると特別難しいことはありませんが、知らないとちょっと心配な人にもわかりやすいように7つのポイントで解説します。
また、歌舞伎のチケットを購入するときの注意点や、歌舞伎を見に行く前に準備しておくと安心なことも紹介しているので、初心者の方はぜひ参考にしてくださいね。
目 次
知っておきたい歌舞伎観劇のマナー7つのポイント
歌舞伎観劇に行く際に知っておきたい7つのマナーについて解説します。
結論から言うと、
- 芝居見物は楽な服装でも着物でもいい
- 公演開始時間に遅れないように
- 食事は座席で弁当を食べてもいい
- 座席では廻りの人に気を使おう
- 携帯電話はマナーモードではなく電源オフで
- 舞台を盛り上げる掛け声や拍手は慎重に
- 演目のあらすじを予習しておく
の7つです。
ここから1つずつ詳しく解説していきます。
芝居見物は楽な服装でも着物でもいい
歌舞伎は日本の伝統芸能の代表格なので、見る人も着物を着ていくべきなのでしょうか?
でも実際は特別なドレスコードなどはないし、ほとんどの人は普通のカジュアルな服装で観劇しています。
公演時間も4時間以上と長くなるので、基本は楽に見られる服装がオススメです。ただし、せっかく高いお金を出して見にきているのですから雰囲気を盛り上げるために着物で行くのもいいですね。
特に桟敷席は他の観客からも見られる特別な席ですから、ちょっとおしゃれして行ったほうがいいかもしれません。
公演開始時間に遅れないように
開演時間に多少遅れても劇場に入れてくれますが、芝居が始まってるのに他の観客の目の前を通って座席につくのはちょっと迷惑です。開演5分前にはブザーが鳴るので、すみやかに自分の座席に戻りましょう。
休憩時間にレストランで食事をしてたら遅くなったということがないように、開演時間はしっかりチェックしましょう。
食事は座席で弁当を食べてもいい
歌舞伎の劇場は座席で食事ができるという、世界的にも珍しい劇場と言えます。
劇場内でお弁当を売っていますが、外で買ったものを持ち込んでもいいのがうれしいところです。とは言っても開演中に座席でむしゃむしゃと弁当を食べるのはいけないし、テーブルのある桟敷席ならともかく、膝のうえに弁当を載せて食べるのもちょっと大変かもしれません。
そんなときは劇場のレストランを予約してすこしリッチに食べるのもいいし、食事は終わってから外で食べることにして劇場内を見物するという手もあります。
30分の休憩時間は決して長くはないですが、食事だけでない歌舞伎ならではの楽しみ方を探してみるのもいいですね。
座席では廻りの人に気を使おう
歌舞伎の舞台は座席によっては見えにくくなっているところもあります。特に花道がよく見えないときなど、ついつい前のめりになって見てしまいますが、それでは後ろの人が見えなくなるので迷惑です。帽子をかぶったままの観劇も後ろの人の視界を遮るのでやめたほうがいいでしょう。
多少の飲み食いはしてもいいですが、ガサゴソと袋の音を立てるのはNG。観劇中のおしゃべりも控えたほうがいいし、上演中の役者の写真をとるのももちろんNGです。
携帯電話はマナーモードではなく電源オフで
携帯電話のマナーモードではバイブレーションの音がけっこううるさいので、必ず電源を切るようにしましょう。休憩時間中にメールを確認した後に電源を切るのを忘れることが多いので気をつけてください。
舞台を盛り上げる掛け声や拍手は慎重に
観劇中に観客が出していい音に「大向う」と呼ばれる掛け声と拍手があります。
「成田屋!」「音羽屋!」など屋号を叫ぶのが大向うの掛け声です。これは芝居を盛り上げる意味があるので、タイミングを間違えるとかえって芝居の邪魔になってしまいます。また、基本的には男性が叫ぶもので、場所は三階席など後ろのほうからというのが暗黙の了解になっているようです。
まだ歌舞伎に慣れていない人は、「大向う」は常連さんにまかせておいて、拍手のタイミングもまわりが拍手するのに合わせてやれば問題ないでしょう。
演目のあらすじを予習しておく
歌舞伎を紹介する書籍などではよく、「まずは気軽に見てみましょう」というふうに書かれていることが多いようです。しかし実際に何も知らないで見に行くと、「なにがなんだかさっぱりわからなかった」で終わるかもしれません。
そうならないように、劇場であらすじを書いてある「筋書き」を購入して、開演までに目を通しておくといいでしょう。
とは言え初心者の方には筋書きだけではまだわかりにくいかもしれません。そういうときはイヤホンガイドも利用するといいでしょう。
時代とともに歌舞伎の観劇方法も進化してきましたが、演目内容は昔から変わらないものが多くあります。どういう話なのかあらすじを知っていたほうが、より楽しめるのが歌舞伎というものなのです。
チケット購入時にこれだけは要チェック!
チケットを購入するのはインターネットや電話で簡単にできるようになっています。でも気を付けたほうがいいのが、オークションやチケットの転売サイトでの購入です。
歌舞伎のチケットは購入者の名前が入っており、転売されたチケットで入場しようとすると、身元を確認されて入場を断られる可能性があります。
人気があってなかなか手に入らないチケットだからといって、オークションなどで正規の価格より高く購入しても、結局見られないということになりかねないので注意してください。
前日までにこれを準備すれば絶対安心
歌舞伎の劇場に持っていくと便利なものを挙げてみると、
- 「オペラグラス」三階席からも役者がよく見えるように
- 「飲み物」か「のど飴」で喉の乾きを潤す
- 「折りたたみエコバッグ」に入れて上着や荷物は座席下に
- 「老眼鏡」があれば年配の方も筋書きが読みやすい
- 「スリッパ」に履き替えて足が疲れないように
- 「ブランケット」で冬場の足の冷え対策
このようなものがあれば便利ですね。
観劇の記念に劇場前やロビーで写真を撮るための「カメラ」もあるといいですが、今は「スマホ」があれば大丈夫。
そして、お土産を買うための「お金」と、何よりチケットだけは忘れないように気をつけましょう。
まとめ
歌舞伎の観劇マナーと当日までに気をつけておくことについて説明してきましたが、いかがでしょうか?
ちょっと敷居が高いように思える歌舞伎ですが、本来は庶民の楽しむものであり、観劇マナーもほかの演劇や映画館などと基本的には同じです。
長時間の観劇を気持ちよく過ごせるように、あらかじめ準備をしてから、観劇マナーを守って歌舞伎を楽しんでくださいね。