市川染五郎の家系図を紹介!クールなプリンスが秘める熱き歌舞伎魂とは?

八代目 市川染五郎は、いま歌舞伎界で最も注目を集める若手歌舞伎役者の一人です。
祖父に二代目 松本白鸚、父に十代目 松本幸四郎を持つ高麗屋のプリンスです。幼い頃から美少年として話題になり、成長してからも端正な容姿とクールでミステリアスな雰囲気でメディアにもたびたび取り上げられています。しかしその一方で、歌舞伎に対する熱い思いや真摯な役者観を持つことも見逃せません。
この記事では、八代目 市川染五郎の家系図やプロフィール、これまでの歩み、歌舞伎への思い、戦友と呼ぶ市川團子との関係、そして家族や趣味などを、詳しく解説します。
「市川染五郎」を中心とした家系図 ―― 高麗屋
八代目 市川染五郎を中心とした歌舞伎家系図を以下に紹介します。

八代目 市川染五郎の家系は、江戸歌舞伎を代表する名門・高麗屋に連なります。祖父は二代目 松本白鸚、父は十代目 松本幸四郎、そして大叔父には人間国宝・二代目 中村吉右衛門を持つ、歌舞伎界を代表する名門一家です。
近年の高麗屋では、「市川染五郎」「松本幸四郎」「松本白鸚」という三つの名跡を受け継いでいく形となっています。平成30年(2018)には、高麗屋三代同時襲名が行われ、父・幸四郎、祖父・白鸚とともに、当時13歳だった染五郎も八代目 市川染五郎を襲名しています。
また母方にも歌舞伎との深い縁があり、母・藤間園子は日本舞踊・藤間流宗家の家系の出身です。さらに叔母に当たる松たか子は女優として第一線で活躍するなど、高麗屋は歌舞伎のみならず、日本の芸能界を代表する一族として広く知られています。
👉️ 高麗屋・松本幸四郎家の家系図
👉️ 播磨屋・中村吉右衛門の家系図
松本幸四郎家は、もともとは市川團十郎家の弟子筋にあたります。團十郎家に男子の跡継ぎがいないときには、松本幸四郎家から團十郎家へ養子に入り、「團十郎」を継いだ例もあるほど、両家は歴史的に深い縁で結ばれています。現在も幸四郎家に「市川染五郎」という市川姓の名跡が残っているのは、その名残ともいえるでしょう。
歌舞伎役者「八代目 市川染五郎」プロフィール
| 📜 名跡 | 八代目 市川 染五郎(いちかわ そめごろう) |
|---|---|
| 🎂 生年月日 | 平成17年(2005)3月27日 満 21 歳 |
| 🖊️ 本名 | 藤間 齋(ふじま いつき) |
| 📏 身長 | 174cm |
| ♑ 星座 | おひつじ座 |
| 🩸 血液型 | AB型 |
| 🏮 屋号 | 高麗屋(こうらいや) |
| 🎴 家紋 | 【定紋】三つ銀杏(みついちょう)、【替紋】四つ花菱(よつはなびし) |
| 🎌 初お目見得 | 平成19年(2007)6月 歌舞伎座 『俠客春雨傘』の高麗屋齋吉で藤間齋の名で初お目見得 |
| 👶 初舞台 | 平成21年(2009)6月 歌舞伎座 『門出祝寿連獅子』の“童後に孫獅子の精”で四代目 松本金太郎を名のり初舞台 |
| 👑 襲名歴 |
平成21年(2009)6月 四代目 松本金太郎 平成30年(2018)1月 八代目 市川染五郎 |
| 🎭 主な歌舞伎の役 |
『勧進帳』源義経 『連獅子』狂言師左近後に仔獅子の精 『雪の石橋』獅子の精 『三社祭』悪玉 『信康』徳川信康 『江戸宵闇妖鉤爪』恩田乱学 『絵本太功記』武智十兵衛光秀 『妹背山婦女庭訓』久我之助 『源氏物語』光源氏 歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』シュテン 『火の鳥』ヤマヒコ 『菅原伝授手習鑑』梅王丸 『鬼平犯科帳 血闘』銕三郎(若き日の長谷川平蔵) 『梶原平三誉石切』梶原平蔵景時 『木挽町のあだ討ち』伊納菊之助 |
| 🏅 受賞歴・資格など |
平成24年(2012) 国立劇場特別賞 平成25年(2013) 国立劇場特別賞 令和2年(2020) 国立劇場奨励賞 |
| 🎯 特技 | 絵を描く |
| 🎧 趣味 | ドライブ、フィギュア集め |
| 🌟 愛称 | いっくん |
| 🌐 公式サイト | 市川染五郎 PAGE |
市川染五郎の歌舞伎人生|2歳の初お目見得から若きスターへの成長
八代目 市川染五郎が、初お目見得から、四代目 松本金太郎としての初舞台、そして現在の名跡である「市川染五郎」の襲名を経て、どのような歌舞伎人生を歩んできたのかを紹介します。
誕生・初お目見得・初舞台

八代目 市川染五郎は、2005年3月27日生まれ。本名は藤間齋(ふじまいつき)。父は十代目 松本幸四郎、祖父は二代目 松本白鸚、大叔父に人間国宝の二代目 中村吉右衛門(故人)という歌舞伎の名門一族に生まれました。
2007年6月、2歳のとき、歌舞伎座『侠客春雨傘』の高麗屋齋吉役として、本名・藤間齋の名で初お目見得を果たします。黒紋付姿で丁寧にお辞儀をする愛らしい姿に、客席からは温かい拍手が送られました。
そして2009年6月、4歳で四代目 松本金太郎を襲名し、『門出祝寿連獅子』の“童後に孫獅子の精”で初舞台を踏みます。父に手を引かれながら花道を歩いて登場し、舞台では父と祖父の間で一生懸命見得をする姿は立派に歌舞伎役者でした。
初舞台について染五郎は、「あまり覚えていない」としながらも、孫獅子としてセリから登場した時の様子を「セリが上がるにつれて、だんだんとお客様が見えてきて、『怖い』と思いました」と振り返っています。
また、このときの公演は第四期歌舞伎座の「さよなら公演」であり、金太郎の襲名披露は第四期歌舞伎座で行われた最後の襲名披露ともなりました。
2013年10月、国立劇場『春興鏡獅子』では、父の舞台で胡蝶の精を勤めます。このとき、同じ胡蝶の精を演じたのが、後に「染團(そめだん)」と呼ばれ人気を集める五代目 市川團子でした。二人はこの舞台で初共演を果たしています。
團子とはその後も、松本幸四郎と市川猿之助が「弥次喜多」として人気を集めた『東海道中膝栗毛』(2016〜)シリーズでも共演していくことになりますが、このときはまだまだ幼い少年でした。
高麗屋の伝統!三代同時襲名で八代目 染五郎へ

そして2018年1月には、祖父・父との親子孫三代同時襲名で、八代目 市川染五郎を襲名します。
高麗屋は前の世代にも三代同時襲名(初代 白鸚、九代目 幸四郎、七代目 染五郎)を行っており、二度の三代同時襲名ということで大きな話題となりました。この襲名披露の期間を写した写真集『儚 市川染五郎』が発売されるなど、このときから市川染五郎という新たな歌舞伎界のプリンスが、広く世間にも知られていくことになります。
また、この襲名披露公演は2019年7月の地方巡業まで行われ、平成から令和へと時代をまたいだ襲名披露となりました。
襲名披露演目では高麗屋のお家芸とも言える『勧進帳』が上演され、父・幸四郎が勤める弁慶に対して染五郎は義経を勤めていますが、このときの心境を後に以下のように語っています。
また、襲名披露期間中の2019年6月に上演された三谷幸喜による新作歌舞伎『月光露針路日本』に出演し、古典歌舞伎ではない現代語の芝居を演じることができたのを「大きな経験だった」と語っています。
歌舞伎ではない外部の演出家による刺激が、染五郎の演技の幅をさらに広げていったようです。
そしてこの舞台を見たアニメ映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』(2021年公開)の監督から声優としての出演オファーを受けることになり、新たな挑戦へと繋がっていきました。
コロナ禍を越えてさらに飛躍
高麗屋が三代同時襲名を披露した翌年の2020年は、コロナ禍により歌舞伎公演も休演を余儀なくされます。
染五郎も観客のいる舞台には出られなくなりますが、父・幸四郎の発案による新たな発想のオンライン配信「図夢歌舞伎」の『仮名手本忠臣蔵』に大星力弥として出演します。
2020年8月から歌舞伎公演は観客数を制限しながらも再開し、染五郎は11月の歌舞伎座『義経千本桜・四の切』で源義経を勤め、歌舞伎の舞台へ帰ってきます。
12月には『東海道中膝栗毛』の新作が『図夢歌舞伎「弥次喜多」』としてAmazon Primeで配信され、再び團子と共に出演しますが、二人ともこれまでの真面目な役から一転して髪の毛を派手に染めた不良役となったことも話題になりました。
2021年は、1月に『菅原伝授手習鑑・車引』で祖父・白鸚の松王丸、父・幸四郎の梅王丸とともに、染五郎は桜丸を演じ、三代で三兄弟の役を勤めます。8月には團子と二人で『三社祭』に出演し、息の合った踊りを披露しました。
2022年6月には、歌舞伎座では初となる主演を『信康』で勤めます。このとき、まだ17歳でした。8月には『東海道中膝栗毛』の新作『弥次喜多流離譚』に出演するも、共演の團子とともに新型コロナウイルス感染による一部休演というアクシデントに見舞われますが、その後も着実に経験を積み重ねていきます。
またこの年、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で大河ドラマ初出演を果たすと、短い出番ながらその美少年ぶりでますますファンを増やすことに。
こうして舞台だけでなく映像作品でも注目を集めるようになり、役者としての活動がますます忙しくなったことから、幼稚園から高校まで通っていた青山学院を中退し、歌舞伎に専念する道を選びます。本人は、「役者は一生勉強なので、学校に行かない分、歌舞伎を一生懸命勉強したい」という思いから決断したと語っており、実際にその後の活躍は目覚ましいものとなりました。
2020年から2022年にかけては、コロナ禍という未曾有の状況の中でもオンライン配信や歌舞伎座の舞台で着実に経験を積み重ね、17歳で歌舞伎座初主演を務めるなど、若手歌舞伎俳優として大きく成長した時期となりました。
令和の若手を代表する歌舞伎役者へ
2023年2月、博多座で上演された江戸川乱歩の小説『人間豹』を原作とした『江戸宵闇妖鉤爪』では、初めて一人だけでの宙乗りに挑戦。10月の歌舞伎座『源氏物語』では坂東玉三郎を相手に光源氏を勤め、多くの教えを受けました。
2024年には、大叔父である故・中村吉右衛門がテレビ時代劇として演じて人気を博した『鬼平犯科帳』が、父・幸四郎主演の新シリーズとして復活。染五郎は若き日の鬼平・銕三郎役を演じ、テレビや映画でも存在感を示します。
11月には父が2007年に初演し、新たに歌舞伎NEXTとして帰ってきた『朧の森に棲む鬼』にも出演。これまでにない激しい刀の立廻りを披露します。
2025年からは若手歌舞伎俳優の登竜門として知られる「新春浅草歌舞伎」に参加。この年から中村橋之助を座頭とする新体制となり、染五郎は尾上辰之助(当時・左近)とともに新メンバーへ加わります。染五郎・團子・辰之助の三人は、後に「染團辰(そめだんたつ)」と呼ばれ、新たな若手歌舞伎俳優の中心として注目を集めることになります。
4月には直木賞小説を原作とした新作歌舞伎『木挽町のあだ討ち』で伊納菊之助を演じ、『信康』以来となる歌舞伎座での主演を務めます。さらに8月には、新シリーズとして始まった『鬼平犯科帳』が新作歌舞伎として歌舞伎座で上演され、テレビ・映画に続いて銕三郎役で出演しました。
また、ネット配信ドラマ『人間標本』に出演するなど活動の幅を広げ、2026年には祖父・白鸚、父・幸四郎も演じたシェイクスピア劇『ハムレット』に挑戦。歌舞伎のみならず、映像やストレートプレイでもその才能を発揮しています。
幼い頃から一歩ずつ経験を積み重ね、今では歌舞伎界を代表する若手俳優へと成長した市川染五郎。その歌舞伎人生はまだ始まったばかりであり、高麗屋だけでなく歌舞伎界の未来を担う存在として、これからどのような舞台を見せてくれるのか注目されます。
市川染五郎の歌舞伎への思い
市川染五郎という役者の印象は、若くして落ち着いた雰囲気を持ち、クールでどこかミステリアスだと言われることが多いようです。
しかし、他の役者たちから見た時に、「大人っぽいクールにかっこよく見えるけど喋ると熱い男」(中村橋之助)、「クールに見えて実は熱いパッションを秘めている」(尾上辰之助)などと言われています。
実際に本人から語られる言葉からも、内面に秘めた歌舞伎や役者という仕事に対する熱い思いと、自分自身の生き方を真摯に考え続ける姿勢が見えてきます。
高麗屋という歌舞伎の家に生まれた運命と秘めた情熱
染五郎は歌舞伎の家である高麗屋に生まれたことについては、
と語っています。
歌舞伎役者として生まれたことを「幸せ」と素直に受け止めており、まさに歌舞伎役者になることが運命だったと感じているようです。
しかし、その一方でこんな言葉も残しています。
歌舞伎役者の家に生まれたというアドバンテージがあることを理解しながらも、それだけで役者として成功できるほど甘い世界ではない──。そんな厳しい現実を、常に自分へ言い聞かせているようにも感じられます。
そんな染五郎は、「芝居をしているときが一番リラックスできる」と語るほどの芝居好きですが、子どもの頃に一度だけ、化粧をするのが嫌で舞台への出演を拒んだことがあったのだとか。
このとき、自分で舞台を断ったにもかかわらず、後から役を失ったことが悔しくてたまらなかったと言っています。そしてその出来事をきっかけに、「どんな役でも断らない」と決めたそうです。
幼い頃から、芝居に対する強い情熱を心の奥に秘めていたことが伝わってくるエピソードですね。
さらに興味深いのが、その感性です。
3歳のときに、江戸川乱歩の『人間豹』を歌舞伎化した祖父と父の舞台『江戸宵闇妖鉤爪』を観劇。「子ども心にすごく衝撃を受けた」と語っており、その影響で小学生の頃には江戸川乱歩作品に夢中になったそうです。
クールでどこかミステリアスな雰囲気をまとっていると言われる染五郎。その独特の感性は、こうした幼い頃の体験から育まれてきたのかもしれません。
憧れの役者と惹かれる役柄
高麗屋が代々演じ継いできた役を大切にしたいと語る染五郎ですが、中でも特に憧れを抱いているのが、歌舞伎十八番の一つ『勧進帳』の弁慶です。
この役は祖父・松本白鸚が最年少・最年長での主演記録を持ち、通算でも約1,100回以上演じた、高麗屋を代表する当たり役の一つ。染五郎も「僕にとって祖父は一番の憧れであり、目標」と語っており、いつか弁慶を演じることは、もっとも大きな目標となっています。
また、『絵本太功記』の武智光秀など、「荒々しい役がわりと好き」とも語っており、爽やかな美少年という世間のイメージから連想される役とは少し違った好みを持っているようです。
さらに、将来演じてみたい役として、『東海道四谷怪談』の民谷伊右衛門や、『仮名手本忠臣蔵』五段目の斧定九郎など、「色悪(いろあく)」と呼ばれる、色男だけど残酷な悪役にも憧れを抱いており、「悪役」を演じたい思いも強くあるようです。
もっとも本人は、「ただ悪役に惹かれているのではなく、陰と陽の二面性のある役に惹かれているのかもしれません」とも話しています。
力強さと繊細さ、善と悪、光と影――。そんな相反する魅力を併せ持つ人物に惹かれるところが、染五郎という役者のミステリアスなイメージを作り出しているのかもしれませんね。
染五郎が目指す役者像とは?
また、役者として大きな影響を受けた作品には、祖父が半世紀以上主演を務め、父も出演したミュージカル『ラ・マンチャの男』を挙げています。
作品中の「あるがままの人生に折り合いをつけるのではなく、あるべき姿のために戦う」という内容は、自身の生き方の指針になっていると語っており、現実を受け入れるだけでなく、大きな夢を追い続けることの大切さを学んだそうです。
一方で、自身の役者としての課題についても冷静に分析しています。
高麗屋は代々、武骨で力強い立役を得意としてきた家であり、自身もそうした役柄に向いていると感じる一方で、自分ができない柔らかな役柄や女形を自然に演じられる役者への憧れも持っています。
尊敬する祖父・松本白鸚からは、役者としてだけでなく人間としても多くのことを学んでいる染五郎。ドキュメンタリー番組『情熱大陸』の中では、白鸚から直接「ラ・マンチャやってくれよ」と期待の言葉をかけられる場面もありました。そう遠くない日に、その舞台が実現する日が来るかもしれませんね。
夢を追い続ける心と、自らの課題に真摯に向き合い続ける姿勢。その努力が積み重なった先に、どんな新しい染五郎の姿を見せてくれるのか。これからの活躍がますます楽しみです。
歌舞伎は「染團」の時代へ――染五郎と團子の絆

市川染五郎を語る上で欠かせないのが、市川團子の存在です。
ほぼ同世代の二人は、ともに歌舞伎界の美少年として注目を集め、「染團(そめだん)」の愛称で親しまれてきました。そのため、何かとライバルとして比較されることも多い存在ですが、本人たちはお互いのことを「戦友」と語っています。
初の共演は2013年10月、国立劇場『春興鏡獅子』で、ともに胡蝶の精を勤めたことでした。その後は松本幸四郎と市川猿之助による人気シリーズ『東海道中膝栗毛』全5作品で若者コンビとして共演し、2021年8月の歌舞伎座『三社祭』、2025年7月の歌舞伎座『蝶の道行』では二人で息の合った舞踊を披露しています。
さらに2025年8月、坂東玉三郎演出による新作歌舞伎『火の鳥』では、染五郎がヤマヒコ、團子がウミヒコとして共演。玉三郎から「ここは二人で考えなさい」と演出を任された場面では、終演後に銀座のカフェで3〜4時間にわたり打ち合わせを重ねたそうです。
普段から明るくよく喋る團子に対し、染五郎は物静かで黙っているタイプです。しかし、歌舞伎の話になると二人とも熱くなってしまうのだとか。私生活で連絡を取り合うことはあまりないそうですが、團子は染五郎のことを「セリフでも動きでも、相談しなくても自然と揃う」相手だと語っており、染五郎は團子について「同世代だからこそできる役や作品もあると思うので、貴重な存在です」と話しています。
性格は対照的でも、歌舞伎に対する思いや舞台で培ってきた信頼関係は、二人を強く結び付けているようです。
二人には、もう一つ興味深い共通点があります。それは、役者として最も尊敬する存在がそれぞれの祖父であり、目標としている役も、染五郎は『勧進帳』の弁慶、團子は『義経千本桜・四の切』の狐忠信という、それぞれの祖父の代名詞とも言える役であることです。
團子はすでに狐忠信を勤めており、この点では染五郎に一歩先んじたとも言えます。二人のライバルとしての関係も目が離せなくなりそうですね。
「染團」が「染團辰」へ進化する!

2026年5月、染五郎、團子と同世代の尾上左近が三代目 尾上辰之助を襲名しました。
これまでも三人を合わせて「染團左(そめだんさ)」と呼ばれることはありましたが、襲名を機に「染團辰(そめだんたつ)」として、さらに注目が高まりました。
意外にも三人が同じ演目で共演する機会はありませんでしたが、ついに2026年9月の歌舞伎座「秀山祭九月大歌舞伎」で、染五郎・團子・辰之助の三人が初めて同じ舞台に出演。『春調娘七種』では、三人だけによる舞踊も披露されます。
令和の歌舞伎界を担う若手三人が揃ったことで、「染團辰」への期待はさらに高まっています。それぞれ異なる個性を持ちながら、お互いを刺激し合い、切磋琢磨を続ける三人。これからの活躍もますます楽しみですね。

クールな染五郎の意外な趣味とは?
クールでミステリアスな印象の染五郎ですが、プライベートでは多彩な趣味を持っています。
昔から車が大好きで、18歳になるとすぐに運転免許を取得。現在では歌舞伎座へも自ら車を運転して通うことがあり、運転中は役のセリフを覚える時間にもしているそうです。愛車は父・松本幸四郎と同じミニクーパーです。
料理も趣味の一つで、作るなら時間をかけた凝った料理に挑戦するタイプなのだとか。
また、父のすすめで始めた絵を描くことも得意で、2014年の『婦人画報』に初登場した当時8歳の染五郎が、何も見ずにすらすらと描き上げた『勧進帳』の絵を見た編集部がその画才に驚き、連載をオファーして「四代目松本金太郎のお絵かき日記」が始まりました。現在も「八代目市川染五郎のしばい絵日記」として続いており、舞台や役への思いをイラストとともに発信しています。
さらに、フィギュア集めも趣味で、コレクションが部屋いっぱいになるほど集めているそうです。子どもの頃は仏像のフィギュア、現在はバットマンなどのキャラクターフィギュアを集めているのだとか。
音楽では、沢田研二、マイケル・ジャクソン、Queenなど個性あふれるアーティストに憧れており、特にマイケル・ジャクソンの『Beat It』は気分が上がる一曲として、車を運転するときによく流しているそうです。一方で、欅坂46やサカナクションなど今どきの若者らしい音楽も好きで、休演日にはK-POPアイドル・LE SSERAFIMのライブへ足を運んだこともあるのだとか。また、ジャズを聴くことも好きだと語っています。
音楽を聴くだけでなく、中学生の頃、マイケル・ジャクソンの曲を弾きたいと思ってベースを始め、なかなか高価なものを購入したそうですが、あまり上達しなかったのだとか。そのベースは妹が借りていき、今も返ってきていないそうです。
また、父・幸四郎の影響で、子どもの頃からザ・ドリフターズや吉本新喜劇をよく見て育ったそうです。父から「笑わせるには間が大事だから、間を見て」と教えられ、その教えは喜劇を演じるときにも意識しているのだとか。
クールでミステリアスな印象の染五郎ですが、実は興味を持ったことはとことん突き詰める凝り性な性格のようですね。
市川染五郎の家族は?
市川染五郎の祖父は二代目 松本白鸚、父は十代目 松本幸四郎、叔母は女優の松たか子です。歌舞伎界だけでなく芸能界でも知られる一家の中で育ちました。
ここでは、染五郎をとりまく家族たちについて紹介します。
祖父・二代目 松本白鸚
二代目 松本白鸚は、高麗屋を代表する立役として、『勧進帳』の弁慶、『寺子屋』の松王丸、『熊谷陣屋』の熊谷直実など数々の当たり役を持つ、現代歌舞伎を代表する名優です。
歌舞伎だけでなく、ミュージカル『ラ・マンチャの男』では50年以上にわたり主演を務め、日本の演劇界を代表する俳優としても高い評価を受けています。2022年には文化勲章を受章するなど、その功績は歌舞伎界にとどまりません。
2018年には、息子・十代目 松本幸四郎、孫・八代目 市川染五郎との三代同時襲名を実現。近年は出演の機会が限られているものの、歌舞伎界の最高峰の一人として大きな影響を与えています。
父・十代目 松本幸四郎
父の十代目 松本幸四郎は、高麗屋を代表する立役として、『勧進帳』の弁慶や『伽羅先代萩』の仁木弾正、『女殺油地獄』の与兵衛など、時代物から上方狂言まで幅広い役を演じる実力派です。
一方で、新作歌舞伎や現代劇にも積極的に取り組み、『阿弖流為』や『陰陽師』、『ハムレット』などジャンルを超えた作品にも挑戦。映画やテレビでも活躍するなど、歌舞伎の魅力を広く発信し続けています。
近年では時代劇『鬼平犯科帳』で鬼平こと長谷川平蔵役を勤め、染五郎も若き日の鬼平・銕三郎役として出演。歌舞伎だけでなく映像作品でも親子共演を果たすなど、高麗屋の芸は舞台の外へも受け継がれています。
叔母・松たか子、母・藤間園子、妹・松田美瑠
叔母は、ドラマ『ロングバケーション』『HERO』などに出演し、現在も女優として活躍する松たか子です。16歳だった1993年には、歌舞伎座『人情噺文七元結』で“お久”の役を演じて歌舞伎の舞台に立ったこともありました。また、伯母の松本紀保も舞台を中心に活躍する女優として知られています。
染五郎が幼少期に祖父と『徹子の部屋』へ出演した際には、松たか子のことを「タータン」という愛称で呼ぶ微笑ましい姿も見られました。小さい頃から親しく接してきたことがうかがえるエピソードです。
また、母は藤間園子さん、3歳年下の妹は、女優・アーティストとして活動する松田美瑠です。母や妹について公に語られることは多くありませんが、高麗屋を支える大切な家族です。
市川染五郎の出演情報
市川染五郎、松本幸四郎、松本白鸚の出演情報を紹介します。
2026年7月 歌舞伎出演情報
2026年7月の【歌舞伎座】に市川染五郎と松本幸四郎が出演します。 詳しくは以下の記事をご覧ください。
2026年8月 歌舞伎出演情報
2026年8月の【歌舞伎座】に市川染五郎と松本幸四郎が出演します。 詳しくは以下の記事をご覧ください。
市川染五郎ら若手歌舞伎俳優が集結!『KABUKI HOPE』発売中!
歌舞伎の未来を担う若手俳優たちを特集したムック『KABUKI HOPE』が、2026年6月29日に発売されました。本書には、市川染五郎の他に、尾上松也、中村壱太郎、尾上右近、中村隼人、中村莟玉、市川團子、尾上辰之助、中村勘太郎らが登場します。セブンネット限定版では、市川團子フォトカード2枚の特典付きです。
歌舞伎界の未来を担う市川染五郎に注目!
市川染五郎は、高麗屋の伝統を受け継ぎながら、自分自身の理想の役者像を追い続ける若手歌舞伎役者です。
クールでミステリアスな印象とは対照的に、歌舞伎への情熱は人一倍強く、古典から新作、映像作品まで一つひとつの経験を糧に着実に成長を続けています。
團子、辰之助とともに「染團辰」の一翼を担う存在として、そして高麗屋の未来を託される役者として、これからどのような舞台を見せてくれるのか。その活躍から目が離せません。
参考資料
【書籍📚】
「かぶき手帖」
「ほうおう 2022年7月号他」
「新春浅草歌舞伎(2025,2026)筋書」
「歌舞伎 家と血と藝(中川右介著)」
【ウェブサイト🌐】
「歌舞伎美人」
「歌舞伎オンザウェブ」
「市川染五郎ファンクラブ」
「CREA ウェブ」
「ELLE」
「婦人画報」
「文春オンライン」
「ステージナタリー」
「女性自身」
【テレビ・動画📺】
「芸能きわみ堂」
「情熱大陸」
「BS朝日『舞台『ハムレット』その幕が上がるまで』」
【ラジオ📻️】
「中村橋之助 ぶっ返りNIGHT」
「J-WAVE『DEFENDER BLAZE A TRAIL』」
一部AIを用いたライティング・画像編集支援を行っていますが、最終的な編集・事実確認・表現調整はすべて人の手で行っております。












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