2025年を占うための2024年歌舞伎座観客数ランキング!

2025年を占うための2024年歌舞伎座観客数ランキング!

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令和七年(2025)の歌舞伎の隆盛を占うために、令和六年(2024)の歌舞伎座観客数をランキングして、どの役者が一番観客を呼べるのか検証してみました。

ランキング方法は2024年の「チケットウェブ松竹」での歌舞伎座の予約数を、著者が公演日の前日から公演30分前までに目視で確認して集計したデータを元にしており、公式なものではありません。また、集計できなかった日も何日かあり、当日席の観客数は入っていないので正確な観客数を表すものではありませんが、おおよその目安と考えていただければと思います。

2024年にもっとも客を集めたのはどの公演なのか? またもっとも客を呼ぶことができた役者は誰なのか? 2025年の歌舞伎観劇を占うためにも注目です。

令和六年(2024)歌舞伎座の公演ごとの観客数

令和六年(2024)の歌舞伎座では、すべての月で歌舞伎公演が開催されました。その内、通常の昼夜二部制の公演が9公演。三部制が2公演。11月は例年行われている「吉例顔見世大歌舞伎」が舞台機構設備の工事で「特別公演」に変更され日程も少なくなっています。

それでは早速、月ごとの歌舞伎座の観客数(予約率)を見てみましょう。

2024年歌舞伎座観客数(予約率)
公演月と部 予約率
1月昼の部 73%
1月夜の部 68%
2月昼の部 94%
2月夜の部 85%
3月昼の部 83%
3月夜の部 65%
4月昼の部 69%
4月夜の部 97%
5月昼の部 83%
5月夜の部 70%
6月昼の部 85%
6月夜の部 80%
7月昼の部 91%
7月夜の部 86%
8月第一部 80%
8月第二部 87%
8月第三部 96%
9月昼の部 77%
9月夜の部 84%
10月昼の部 80%
10月夜の部 100%
11月昼夜総合 91%
12月第一部 85%
12月第二部 75%
12月第三部 88%

※小数点以下は繰り上げて集計。



令和六年(2024)もっとも観客を集めたのは?

上記の表を確認すると、歌舞伎座の観客予約率がもっとも高かったのは10月「錦秋十月大歌舞伎」夜の部だということがわかります。その割合はなんと100%! 小数点以下は切り上げているので実際の集計時にはわずかに空きがありましたが、当日席で埋まったのは確実でしょう。

ちなみにこのときの演目は「婦系図」と「源氏物語」で、坂東玉三郎片岡仁左衛門市川染五郎という新旧のイケメン役者と共演するというものでした。

次に多かったのが、4月「四月大歌舞伎」夜の部で97%。演目は「於染久松読売」「神田祭」「四季」ですが、ここでも坂東玉三郎片岡仁左衛門仁左玉コンビの影響が大きいようです。

次は8月「八月納涼歌舞伎」第三部の96%。このときは松本幸四郎が主演で夢枕獏原作の新作歌舞伎「狐花」が上演されています。ただ、八月は三部制のためチケットが二部制のときより少し安くなっているのも観客数増加に影響しているようです。

他に90%を超えているのは、2月「猿若祭二月大歌舞伎」昼の部の94%と7月「七月大歌舞伎」昼の部の91%になります。

猿若祭の主な演目は「籠釣瓶花街酔醒」で、中村勘九郎中村七之助がメインで片岡仁左衛門が共演するというもの。また、このときは十八代目中村勘三郎の十三回忌ということもあって、勘三郎を懐かしむファンも多く集ったのでしょう。

7月は昼は市川團十郎、夜は松本幸四郎がそれぞれ通し狂言で宙乗りを披露するというものでした。團十郎の昼の部91%に対して幸四郎の夜の部も86%とそれなりに高い数字を出しています。昼の部のほうが予約率は高い傾向にあるようなので、昼夜が逆であれば数字も逆になったかもしれませんね。

※11月はチケットが通常の半額程度になっているのと、学校観覧が多いので除外しています。



月ごとの歌舞伎座集客状況は?

1月は新たな年の幕開けを祝うので歌舞伎座も賑いそうですが、昼夜総合すると71%と意外に予約率は高くありません。これは1月は東京の歌舞伎公演が新橋演舞場、浅草公会堂、新国立劇場でも行われたことで、歌舞伎ファンが分散されてしまうことが原因だと思われます。

2月は猿若祭で「中村屋」人気に片岡仁左衛門が加わり、昼夜総合で90%ともっとも高くなっています。

3月は昼の部で片岡仁左衛門が出演したことで83%を記録しましたが、総合では74%。

4月は昼の部は69%と低めでしたが、夜の部の仁左玉コンビの人気で総合82%。

5月の團菊祭は意外と伸びずに総合77%。

6月は中村時蔵三代襲名披露もあって総合82%。

7月は市川團十郎と松本幸四郎の宙乗りで総合88%。

8月は三部制でチケットが購入しやすいのもあってか総合87%。

9月は秀山祭と夜の部の玉三郎人気で84%。

10月は夜の部の仁左玉コンビで総合90%と昼夜総合でも二月と並んでもっとも高い数字です。

11月はチケットが通常の半額程度になっているのと、学校観覧が多いので参考までですが91%。

12月は中村獅童と尾上菊之助による「あらしのよるに」と玉三郎と仁左衛門、市川團子という組み合わせなどで総合83%。

あくまで個人的に目視で予約状況を確認したものですが、以上のようになっています。



まとめ:やはり仁左玉コンビが一番客を呼べる

2024年の歌舞伎座での一番人気は上記の結果を見る限り、やはり坂東玉三郎片岡仁左衛門のコンビのようです。10月の夜の部での予約率が100%となっているのを見れば、当代最高の女形と立役のコンビというのは不動のようです。2025年もこのコンビから目が離せませんね。また、玉三郎と共演した二人の若手俳優・市川染五郎市川團子もさらなる飛躍が期待されます。

中村勘九郎中村七之助の中村屋も猿若祭でさすがの人気と存在感を見せていますね。

今年は尾上菊五郎家の襲名披露公演も行われますが、様々なエンターテイメントにあふれている現代で伝統芸能となった歌舞伎がどこまで存在感を示せるのか。いつまでも玉三郎や仁左衛門に一番人気を持っていかれるのではなく、ぜひ歌舞伎界を背負って立つ新しいスターが誕生してほしいものですね。

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