【歌舞伎役者】中村米吉の家系図紹介! ナウシカを演じた可憐な女形の素顔とは?

【歌舞伎役者】中村米吉の家系図紹介! ナウシカを演じた可憐な女形の素顔とは?

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歌舞伎役者・五代目中村米吉なかむらよねきちは、おっとりとした優しげな顔立ちで若手女形として浅草歌舞伎などでも活躍し、2022年7月に再演された新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」ではナウシカを演じ宙乗りまで披露しました。

これからますます注目されていきそうな歌舞伎女形・中村米吉について、その歌舞伎家系図プロフィール女形としての実力家族、これからの出演情報などを紹介していきます。

中村米吉の歌舞伎家系図

五代目中村米吉は、播磨屋の五代目中村歌六なかむらかろくの長男になります。以下に中村米吉を中心とした歌舞伎家系図を紹介します。

五代目中村米吉を中心とした歌舞伎家系図

播磨屋・五代目中村米吉を中心とした歌舞伎家系図

中村歌六家は1971年に屋号を播磨屋から萬屋へと変更していましたが、2010年9月の歌舞伎座「秀山祭九月大歌舞伎」において元の播磨屋へと屋号を戻しています。

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>>歌六、歌昇の屋号が「播磨屋」へ ~新橋演舞場「秀山祭九月大歌舞伎」

大叔父に当たる萬屋錦之介(故人)と中村嘉葎雄は歌舞伎役者から映画俳優へと転向して銀幕のスターとして活躍しました。

中村米吉には実の弟がいて、米吉と同じ初舞台で中村龍之助を襲名しましたが、2006年5月を最後に出演の記録はなく、現在は歌舞伎役者としての活動はしていないようです。

歌舞伎女形・中村米吉とは?

現在、歌舞伎の若手女形役者として活躍する中村米吉とはどんな役者なのでしょうか? そのプロフィールや舞台では見れない素顔について紹介します。

中村米吉のプロフィール

五代目中村米吉のプロフィールを以下に紹介しましす。

五代目 中村 米吉(なかむら よねきち)
生年月日
平成5年(1993)3月8日
本名
小川 修平(おがわ しゅうへい)
屋号
播磨屋(はりまや)
家紋
定紋:揚羽蝶(あげはちょう)
来歴
平成12年(2000年)7月 歌舞伎 「宇和島騒動」の武右衛門倅武之助役で中村米吉を襲名し初舞台
平成22年(2010)9月 父の五代目中村歌六、叔父の三代目中村又五郎らと共に屋号を萬屋から播磨屋に戻す
平成23年(2011) 女形を志し本格的に歌舞伎役者として出発
平成26年(2014) 9月 名題試験に合格し、11月26日名題適任証取得
平成27年(2015)1月 名題昇進
平成27年(2015) 8月 アメリカ ラスベガスで初の歌舞伎公演となる「鯉つかみ」に出演
平成28年(2016) 5月 アメリカ ラスベガスで新作歌舞伎「獅子王」に出演
令和元年(2019) 6月 G20 大阪サミットで「KABUKI 2019」に出演
主な役
「一條大蔵譚」 常盤御前
「仮名手本忠臣蔵」 遊女おかる
「日本振袖始」 稲田姫
「鬼一法眼三略巻」 皆鶴姫
「絵本太功記」 初菊
「鳴神」 雲の絶間姫
「鯉つかみ」 鯉の精
「与話情浮名横櫛」 お富
「獅子王」 白縫姫・傾城乙星
「あらしのよるに」 みい姫
「梶原平三誉石切」 娘梢
「寺子屋」 戸浪
「壽浅草柱建」 大磯の虎
「御浜御殿」 中臈お喜世
「義経千本桜」 源義経・静御前
「義賢最期」 待宵姫
「盛綱陣屋」 早瀬
「弁天娘女男白浪」 赤星十三郎
「風の谷のナウシカ」 ケチャ・ナウシカ
主な受賞歴
平成27年(2015)1月 名題昇進
平成27年(2015)3月 「鳴神」の雲の絶間姫で十三夜会奨励賞
令和3年(2021)2月 第42回松尾芸能賞新人賞受賞
好きな物・趣味など
スイーツ(硬めのプリン、いちご大福)
山本周五郎の時代小説
カラオケの十八番は「お祭りマンボ」

歌舞伎役者・五代目中村米吉(本名・小川修平)は、平成5年(1993)3月8日に五代目中村歌六の長男として生まれ、7歳のときに中村米吉を襲名して初舞台を踏みます。

子供時代は、父・歌六が出ていた猿之助(現・二代目猿翁)の舞台を見ることが多く、後に本人も「亀治郎の会」など、四代目猿之助と舞台をともにすることになります。

大学生になってから本格的に女形歌舞伎役者としての道を歩むことを決め、その後大学を中退して役者に専念することに。

2011年からは新春浅草歌舞伎に出演し大きな役を経験しながら、2015年には市川染五郎(現・十代目幸四郎)とアメリカ・ラスベガスで「鯉つかみ」を披露、翌年にもラスベガス公演に参加します。

2019年に大阪で開かれたG20大阪サミットでは、古典ではなく洋楽に邦楽を加えた「KABUKI」という新しい舞踊を各国の首脳の配偶者の方々に披露し喝采を浴びました。

2020年からのコロナ禍では米吉の舞台出演もなくなってしまいますが、テレビや雑誌のインタビューなどに出演することも多くなったことで芸能プロダクションのEvoluer(エヴォリュエ)に所属することになり、2020年8月に舞台が再開されてからはほぼ毎月のように歌舞伎の公演に出演しています。

中村米吉は「ぼんじゃり」(柔和でおっとりしている)とした雰囲気を持ちながら、自他共に認める生来の話し上手を生かして、歌舞伎役者には珍しく単独のトークショーを開催するなど独特の魅力があります。

2022年7月には話題の新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」で主役と言えるナウシカに抜擢されて歌舞伎ファン以外での知名度も上がりましたが、まだ結婚しておらず独身でもあるのでますますファンが増えそうです。

今後の活躍が大いに期待される若手女形歌舞伎役者の一人として注目ですね。



インスタでの中村米吉の素顔は?

2021年3月から米吉はインスタグラムを始めていますが、それを後押ししたのは先輩歌舞伎役者の中村壱太郎なかむらかずたろうです。

2021年2月の博多座公演のとき二人は同じ舞台に立ちますが、このとき壱太郎から突然、「しゅうちゃん(米吉の本名:修平)、インスタとかやらないの?」とLINEのメッセージが送られてきます。

米吉本人はわけがわからず困惑しますが、翌月の南座公演で出演者によるインスタライブが企画されているのでその宣伝にもなるからとのことのようで、米吉もそれならと始めてみることになります。

投稿内容は舞台裏での自分や共演した役者と撮った様子などですが、父・歌六や祖母の誕生日の写真などもあり、ファンにとっては米吉の素顔が伺える貴重な内容になっています。

ちなみに、「#甘いものは世界を救う」というハッシュタグでインスタ投稿をするほどスイーツが好きで、特にいちご大福へのこだわりが強く、

いちご大福というのはいちごが外に出ていなくてきちんと中に包まっている、そして中は白あんでなく茶色いあずきあんですか、そして中にクリームとかを入れないで、このねお餅のこの上のところにこのいちごの突先の赤いのが薄〜くこう見えてほのかにこう、ぽっと恥じらう女性の頬のような赤さが見える、そんないちご大福がたまらないんですね。バラエティー生活笑百科(2021.12.04 NHK総合)

とテレビで力説していました。

SNSをやるのは大変だと言いながらも、けっこう楽しんでやっているようです。ぜひ一度中村米吉インスタグラムを覗いてみてくださいね。

>>中村米吉公式インスタグラム



歌舞伎の若手女形としての実力は?

中村米吉は現在の歌舞伎界において若手の有力な女形の一人に数えられますが、もともとはそれほど女形へのあこがれが強かったわけではありません。

ではなぜ女形を選んだのかについて、はっきりとした理由があるわけではないようですが、あえて言えば「興味があった」からだとか。

大学に入ってしばらくしてから、同じ播磨屋の二代目中村吉右衛門なかむらきちえもんに「どういうふうにしていきたいんだ」と聞かれて、「女形でやっていきたいです」と答えたときから、本格的な女形としての修行が始まります。

女形としての演技は同じ女形の先輩に教わりますが、立役の先輩たちからもたびたび叱られていたようです。

2014年1月の歌舞伎座で「松浦の太鼓」に“お縫おぬい”という役で出たときに、吉右衛門から「かわいそうに見えない」「頑張って声を出しすぎている」と叱られ、2015年6月の歌舞伎座「薄雪姫」では、片岡仁左衛門かたおかにざえもんに「声を出そうと思いすぎるからいけないんだ、悲しいときにそんな声は出ない」とダメ出しをされることがあったようです。

2014年3月の新歌舞伎座こけら落とし公演の「日本振袖始」で稲田姫を演じたときには、女形の大先輩である坂東玉三郎ばんどうたまさぶろうにつきっきりで教えてもらったそうですが、稽古の途中で玉三郎が、「貴方、歌舞伎の家に生まれたんでしょ、ああ、生まれただけだね」と言って帰ってしまったことがあったとか。

随分と厳しい指導の仕方ですが、千穐楽の日には玉三郎から「三十歳になる前に、女形としての土台をしっかりと身につけておきなさい」と言われたそうで、米吉に対してまだまだ未熟に感じながらも期待していることが伺えます。

米吉自身は女形の心得として、

相手役の方にやりやすいと思ってもらえるように女形は勤めないといけない、これが一番大切なことであり難しいことですね。バラエティー生活笑百科(2021.12.04 NHK総合)

と話しており、歌舞伎役者として大切なこととしては、

出てきただけでお客様に喜んでいただけるような役者になりたいと言っていたが、そうなるために何が大事かを考えるようになった。古典歌舞伎の役々によってもどういう演じ方があるのか?一つ一つのお芝居をもっと掘り下げていかないといけない。その中で見えるものを大事にしながら、自分なりに先輩方から教わったものを何より大事にして、自分なりの役の魅力を見つけて、それをお客様に伝えられるようにしないといけない。一言でいうとお客様に喜んでいただいて、歌舞伎に必要な女形になりたい。(2021.05.29 日テレNEWS24「市來玲奈の歌舞伎・花咲み」)

と語っています。

歌舞伎学会会員の中村達史氏はその著書「若手歌舞伎」の中で、近年の中村米吉について以下のように語っています。

中村米吉の魅力は、何よりもそのぼんじゃりとした雰囲気にある。・・・優れた先輩と頻繁に同座しているからだろう、近頃の技量の進歩には目を見張るものがある。最近では大抜擢に応え、「弁慶上使」(平成29年6月歌舞伎座)の卿の君と信夫の二役、「御所五郎蔵」(同)の逢州で確かな結果を出したのであった(「若手歌舞伎」中村達史著)

着実に女形として成長していることが伺える中村米吉は、2023年に玉三郎が言う「三十歳」になります。そのときまでに果たしてどれだけ周りを納得させられる女形役者になれるか注目ですね。

【達人メモ その1】
女形を演じるときに高い位置で帯をしめたときに太っていると苦しくなるそうです。米吉はもともと太りやすい体質なので舞台前には米を減らしたりするとか。「米吉」なのに・・・。ちなみにインスタのIDには「米吉」を英語にした「rice_lucky」という文字が入っています。




中村米吉の家族紹介

中村米吉は歌舞伎の家計である中村歌六家に生まれたので、家族や親戚もほとんどが歌舞伎や芸能に関わっています。そんな米吉の家族について紹介します。

父・中村歌六

米吉の父・五代目中村歌六は、昭和25年(1950)10月14日に二代目中村歌昇(追贈・四代目歌六)の長男として生まれます。弟に三代目中村又五郎がいて、五代目中村時蔵、二代目中村錦之助、二代目中村獅童は従兄弟にあたります。

昭和30年(1955)9月の歌舞伎座で四代目中村米吉を名のり初舞台を踏むと、昭和48年(1973)に名題に昇進し、昭和56年(1981)6月の歌舞伎座で五代目中村歌六を襲名します。

切れの良い台詞回しとコクのある演技は円熟の境地に達しており、立役として存在感のある武将や老け役を巧みに演じるだけでなく、女形でも「盛綱陣屋」の微妙のように、役の心情を深く掘り下げた演技を見せます。

若いときは三代目市川猿之助(現・二代目猿翁)のもとでスーパー歌舞伎にも多く出演し、最近では新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」でのトルメキア国王ヴ王での貫禄ある演技が印象的です。

一時期、屋号を播磨屋から萬屋に変えていましたが、2010年の秀山祭のときに弟・又五郎らとともに播磨屋に戻りました。

米吉のブログやインスタなどにも時々登場して、誕生日におどける様子や髭を伸ばした顔を披露するなどおちゃめな一面を見せています。

絵手紙が趣味らしくブログで披露していますが、父親の影響か息子の米吉も絵手紙教室に通っているようです。

息子・米吉は40歳を過ぎてから授かった子供で、歌六本人はすでに70歳を超えていますが、まだまだ現役で活躍する姿が見られそうですね。

母・大岡恵子、弟・龍之助

米吉の母・大岡恵子はかってラテン音楽を中心に活動していたバンド・ロスインディオスに「フローレス」という名前の女性ボーカルとして参加していました。

1992年に中村歌六と結婚してからは歌手業は休業していましたが、現在は「おがわ恵子」の名前で単独ライブなどもやっているようです。

米吉には二歳年下の弟がいます。平成12年(2000)に米吉と同じ舞台で初代中村龍之助なかむらりゅうのすけとして初舞台を踏みますが、その後は平成18年(2006)5月の新橋演舞場を最後に出演記録はなく、今はかぶき手帖や名鑑にも名前はありません。

歌舞伎役者を廃業したかどうかはわかりませんが、現在は役者としての活動はしていないようです。

米吉ブログやインスタには母と弟も家族旅行の様子などでときどき登場しており、一家の仲睦まじい様子が伺えますね。

ナウシカ歌舞伎で飛躍!

中村米吉がナウシカを勤めた「風の谷のナウシカ ー上の巻ー」特別ポスター

中村米吉がナウシカを勤めた「風の谷のナウシカ ー上の巻ー」特別ポスター

2019年に初演された新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」は、尾上菊之助が中心となって宮崎駿の人気マンガの世界を完全歌舞伎化するという試みが大きな話題を呼びました。

この舞台に中村米吉はケチャを演じ、父・歌六はトルメキア王ブ王という共に重要な役で出演しましたが、2022年7月に尾上菊之助が演じるクシャナを中心にした物語として再演された舞台では、米吉は元々の物語の主役であるナウシカに抜擢され、宙乗りまで披露しました。

ナウシカは少女でありながら世界の運命を背負って闘うという強さと、か弱きものを慈しむ優しさを兼ね備えた歌舞伎ではあまりいないタイプのヒロインです。

ただ可愛らしく演じるだけではできない難しい役になりますが、米吉は見事にナウシカを演じきって、ラストのメーヴェでの宙乗りでは大きな喝采を受けました。

この舞台は前半部分のみなので歌六演じるブ王は登場しませんでしたが、いつか後半が上演されるときは、ラスト近くで歌六ブ王が米吉ナウシカを助けて命を落とす場面に注目が集まりそうですね。

【達人メモ その2】
米吉はナウシカとしての出演の話を聞いたとき、「私でいいんでしょうか?」と再三確認するほど驚いたようです。しかも、前回の舞台でケチャを演じたときに「とてもナウシカにはなれない」というセリフがあり、そんな人がナウシカになっちゃったと笑い話にしています。

新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」について詳しくは以下の記事を御覧ください。




中村米吉の出演情報

中村米吉の歌舞伎やその他の今後の出演情報を紹介します。

2022年9月 歌舞伎座

2022年9月の歌舞伎座「秀山祭九月大歌舞伎」の第一部「白鷺城異聞はくろじょうものがたり」、第二部「松浦の太鼓」中村歌六中村米吉が親子で出演し、米吉は第三部「藤戸」にも出演します。

2022年10月 歌舞伎座・国立劇場

2022年10月の歌舞伎座「芸術祭十月大歌舞伎」第二部に中村歌六が出演し、中村米吉は国立劇場の「通し狂言 義経千本桜」に出演します。

まとめ:ぼんじゃりとした女形・中村米吉に注目

歌舞伎役者・五代目中村米吉は、現在の歌舞伎界で若手女形役者として人気があり、ぼんじゃり(柔和でおっとりしている)とした雰囲気が魅力です。

播磨屋・五代目中村歌六の長男として生まれ、大学生のときに女形役者を真剣に目指すことを決めてから、中村吉右衛門や坂東玉三郎など多くの偉大な先輩たちから厳しく指導された芸は、着実に実りつつあります。

インスタで情報を発信したり、トークショーを開催したり、はたまたスイーツに目がなかったりと現代の若い役者らしい面を見せながらも、歌舞伎では先輩たちからの教えをしっかりと身につけることを決して忘れてはいません。

新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」では主役と言えるナウシカに抜擢されるなど、これからますます活躍が期待される中村米吉に注目ですね!



参考資料

中村米吉の記事に関する内容は、主に以下の資料やウェブサイトを参考にさせていただきました。
【書籍】

乙女のための歌舞伎手帖


若手歌舞伎


僕らの歌舞伎


「かぶき手帖 2022年版」(画像は2020年版)

【ウェブサイト】
歌舞伎役者 中村歌六 米吉公式サイト
中村米吉公式インスタグラム
歌舞伎オンザウェブ
歌舞伎美人
ローチケ演劇宣言!
BAILA 『歌舞伎沼への誘い』

【テレビ】
バラエティー生活笑百科
日テレNEWS24 市來玲奈の歌舞伎・花咲み

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