歌舞伎チケットの値段はそれほど高くない!格安の一幕見席も解説
歌舞伎のチケットの値段はけっこう高いと思っている人は多いようですが、実際はそんなに高くないチケットもあります。
劇場や席によって違いはありますが、歌舞伎のチケットの値段がどのくらいなのかを、歌舞伎の初心者にもわかりやすく解説します。
目 次
歌舞伎のチケットの値段は?種類や席ごとの違いも解説
歌舞伎の劇場は座席の種類によって値段がかなり変わってきます。同じ種類のチケットでも場所によっては見え方にかなり違いがあるので、購入のときには注意が必要です。
一幕見席や桟敷席など席による値段の違いは?
歌舞伎座では昼の部と夜の部に分かれて違う演目を上演しますが、それぞれの部での座席の基本的な料金は以下のようになります。
座席 | 値段 |
---|---|
1階桟敷席 | 20,000円 |
1等席 | 18,000円 |
2等席 | 14,000円 |
3階A席 | 6,000円 |
3階B席 | 4,000円 |
一幕見席 | 500〜2,000円 |
→歌舞伎座の客席表PDFはコチラ
昼の部と夜の部は別々にチケットを購入することになるので、一日通して見るためには両方のチケットを購入する必要があります。
一番高い1階桟敷席は二人がけの掘りごたつ式テーブル付きで、お茶セットなどもついています。西側であればセレブ感を味わえる最高の席と言えるでしょう。
が目の前に見えて、1等席は舞台を目の前に見られるし、花道もすべて見ることができるのが魅力です。しかし、後ろの方になってしまうと2等席とあまり変わらなくなってしまうので、早めに予約してできるだけ前の方の席を取っておきたいところです。
3階席では上から見下ろす形で花道はあまり見えなくなりますが、A席の東側の張り出しならよく見えるので狙い目です。でも、ここも人気があるので早めに予約しなければ難しいでしょう。
3階はA席とB席のどちらがいいか迷うところですが、私が実際に歌舞伎座で見てみた感じとしては、見え方にそれほど差があるわけではないので、少しでも近くで見たいのならA席。少しでも安いほうがいいのであればB席。というのが一つの目安でしょうか。
一幕見席はその名の通り一幕だけしか見られない席です。以前は当日並んでチケットを購入しないといけませんでしたが、2023年6月からは、前日からの予約もできるようになりました。座席としては舞台から一番遠くなり、館内の売店なども使えないですが、歌舞伎観劇の雰囲気を知りたい初めての人がお試しで見てみるのにはいいかもしれません。
初心者で一幕見席を利用してみたい人は以下のページを御覧ください。
歌舞伎チケットの値段は劇場によって違う?
歌舞伎が上演される劇場は全国にありますが、各劇場や公演内容で販売されるチケットの値段に違いがあります。
また、桟敷席などの一番いい席と3階席などでは、舞台の見え方や役者との距離がまったく違うので、どの劇場でもチケットの最高値と最安値にはかなり値段の差があります。
ここでは2019年の公演情報をもとにだいたいの目安になる料金を紹介いたします。
劇場 | 最高値 | 最安値 | 一幕見席※ |
---|---|---|---|
歌舞伎座 | 20,000円 | 3,000円 | 500〜2,000円 |
国立劇場 | 12,800円(一般) 9,000円(学生) |
1,800円(一般) 1,300円(学生) |
|
新橋演舞場 | 18,000円 | 3,000円 | |
大阪松竹 | 17,000円 | 6,000円 | 1,500〜3,500円 |
京都南座 | 27,000円 | 4,000円 | |
御園座 | 24,000円 | 4,500円 | |
博多座 | 18,000円 | 5,000円 | 1,000〜2,100円 |
※一幕見席は歌舞伎座以外では設けられないことがあります。
他にも地方劇場などもありますが、だいたい上記のような値段を目安と考えればいいでしょう。詳しくは各劇場の公式サイトなどでご確認ください。
チケットの取り方について詳しくは次のページをご覧ください。
【会員限定】定額制観劇サービスが登場!
2022年9月、10月の歌舞伎座公演で松竹歌舞伎会員限定で<定額制観劇サービス>が実施されました。24,000円でその月の歌舞伎座公演の2階席(1等、2等)が見放題というものでした。好評だったようで、その後も2023年2月、3月、6月、8月、9月と毎月ではありませんが実施されています。
概要は松竹歌舞伎会員になると送られてくる機関紙「ほうおう」に記載されているのみで、ネット上には情報を出していないようです。
会員でない方で詳しく知りたい方は、松竹歌舞伎会事務局(TEL:03-5565-6022)に問い合わせていただければと思いますが、簡単に概要を説明すると、
1、松竹歌舞伎会員のみ購入可能
2、電話で定額制パスポートを申し込み(定員あり)
3、チケット予約は電話で公演の1週間前から
4、座席は空席の中から選択
5、公演期間中何回でも観劇可能
6、会員本人のみ利用可能(身分証提示)
24,000円という金額はちょっと高いようにも感じるかもしれませんが、2階席の値段は1等席なら18,000円、2等席で14,000円となっていますので、二回見れば元が取れる金額です。予約が1週間前からなのであまりいい席がとれるわけではありませんが、時間に余裕があって何回も観劇したい人にとってはおいしい話です。
現在はいろいろなものがサブスク(定額制)で利用できるようになっていますが、歌舞伎でも定額制サービスが定着してくれるといいですね。
イヤホンガイドでもっと歌舞伎を楽しもう
歌舞伎をより楽しむためにあったらいいものとしてイヤホンガイドがあります。
歌舞伎座だけでなくほとんどの歌舞伎の劇場で貸し出しされていて、使用料の700円と返却時に返ってくる保証金1,000円が別に必要です。
私もイヤホンガイドを実際に借りてみましたが、けっして堅苦しい解説ではなく、専門の解説者がいろいろと趣向を凝らしながら解説してくれます。
- 登場する役者が誰で何の役か?
- 物語の背景や歴史
- 音楽や唄の内容や意味
- わかりにくい言葉遣い
- 歌舞伎独特の約束事
上記のような内容を観劇の邪魔にならないように、タイミングよく解説を入れてくれたので、とてもわかりやすく見ることができました。また、幕間には出演役者のインタビューなども聞くことができるようになっています。
歌舞伎を初めて見る人だけでなく、芝居の内容を深く楽しみたい方や、もっと詳しい内容や知識を知りたい方は一度使ってみるといいでしょう。
歌舞伎の劇場以外でみるための料金
歌舞伎は劇場で見るのが一番ですが、どうしても劇場に足を運べない人や時間がない人であれば、映画館やケーブルテレビなどでも見ることも可能です。
松竹が運営する「シネマ歌舞伎」では、全国の映画館で映画を見るようにスクリーンで歌舞伎を見ることができます。料金は通常2,100円(一般)1,500円(学生・小人)となっています。
「衛星劇場」というケーブルテレビの有料チャンネルでは平日の16時から歌舞伎の芝居を放送しています。
衛星劇場を見るためにはJ-COMなどのケーブルテレビへの加入が必要で、J-COMであれば月額でだいたい8,000円ぐらいの料金で見ることができます。
他にも歌舞伎のDVDなども発売されているので、劇場に来られない方や家でも歌舞伎の芝居を見てみたい方は、以下の記事で紹介していますので御覧ください。
まとめ
歌舞伎チケットの値段は、選ぶ座席や劇場、公演内容などによって、高いものから安いものまでいろいろあるのがおわかりいただけたでしょうか?
桟敷席のような高いもので2万円台、一幕見席であれば500円で見られることもありますが、どの席で見るのがいいのかをよく考えて購入してください。
また、定額制で歌舞伎座の公演が見られるサービスが出てきたり、劇場まで行けない人でもシネマ歌舞伎やDVDなどで歌舞伎を見方もいろいろと増えています。
ぜひ自分の観劇スタイルに合わせて、歌舞伎を楽しんでくださいね。