【初心者必見】歌舞伎座の一幕見席は本当にお得?値段や混雑状況も解説

【初心者必見】歌舞伎座の一幕見席は本当にお得?値段や混雑状況も解説

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歌舞伎座には一幕見席ひとまくみせきという、安い値段で一幕だけを見ることができる特別な座席があるのをご存知でしょうか?

一幕見席は他の劇場にはあまりないので、歌舞伎の初心者の方には、チケットの料金買い方混雑状況の確認の仕方本当にお得な席なのかなど、よくわからないのではないでしょうか。

ここでは一幕見席とはどのような席で、どうやってチケットをとるのか、どこから入場するのか、そしてお得な楽しみ方などを、私が実際に一幕見席を見てきた体験をもとに解説します。歌舞伎座で一幕見席を利用するときの参考にしてくださいね。

※新型コロナウイルス感染拡大防止のために歌舞伎の公演は行われておりませんでしたが、歌舞伎座での8月公演の開催が決定しました。一幕見席はまだ利用できないなどの制約があるので、詳しくは歌舞伎座公式サイトの公演情報を御覧ください。

そもそも一幕見席とは何?

一幕見席チケット売り場

一幕見席とは、あまり聞き慣れない言葉ですが、その名の通り公開中の芝居の「一幕」だけを見ることができる席のことです。幕見席まくみせきと呼ばれることもあります。

歌舞伎座の一幕見席は、3階B席の上の4階になります。正面玄関左手の専用入り口から入場し、エレベーターで4階まで直行します。

座席は全席自由席で椅子約90席立ち見約60席150席ほどが設けられており、車椅子の方のためのスペースもあります。椅子は3階席のものとほぼ同じです。

下の階に降りたり売店やレストランを利用することはできませんが、自動販売機コインロッカーはあり、受付で筋書きを購入することもできます。イヤホンガイドは通常より安い500円(保証金1,000円)で借りられます。

歌舞伎の公演は「昼の部」「夜の部」に分かれていて、それぞれの部が3つから4つの演目で構成されています。一つの演目は幕が開いてから閉まるまでなので、「」と呼びます。幕の上演時間は内容によって異なりますが、だいたい30分から2時間ぐらいです。

普通のチケットは「昼の部」か「夜の部」のどちらか全部を見ることになりますが、一幕見席のチケットは「幕」の一つだけを選ぶことができるのです。

例えば、次のような公演内容のときの上演時間は以下のようになります。
【昼の部】 3幕

  1. 菅原伝授手習鑑すがわらでんじゅてならいかがみ 加茂堤かもづつみ(27分)
  2. 菅原伝授手習鑑 筆法伝授ひっぽうでんじゅ(1時間23分)
  3. 菅原伝授手習鑑 道明寺どうみょうじ(1時間52分)

【夜の部】 4幕

  1. 八陣守護城はちじんしゅごのほんじょう(24分)
  2. 羽衣はごろも(30分)
  3. 人情噺文七元結にんじょうばなしぶんしちもっとい(1時間14分)
  4. 道行故郷の初雪みちゆきこきょうのはつゆき(25分)

もし、【夜の部】の「人情噺文七元結」だけが見たくて他の演目は見なくてもいいなら、一幕見席で入場すれば見たい演目だけを見られることになります。



歌舞伎座の一幕見席はお得なのか?

一幕見席は歌舞伎座が一番座席数も多く、他の劇場にはあまり設置されていません。好きな演目だけを安く見られる席となっていますが、初心者にとって本当にお得な席なのかどうかを検証してみました。

一幕見席チケットの値段

一幕見席のチケットの値段は、見る幕の長さによって異なりますが、だいたい、500円〜2,500円ぐらいです。
幕ごとの値段は公開直前に公式サイト「歌舞伎美人」の公演情報で発表されます。一例として次のような公演の場合、料金は以下のようになっています。

昼の部
菅原伝授手習鑑 加茂堤 1,000円
菅原伝授手習鑑 筆法伝授 1,400円
菅原伝授手習鑑 道明寺 1,600円
夜の部
八陣守護城 800円
羽衣 1,000円
人情噺文七元結 1,400円
道行故郷の初雪 800円

昼の部、夜の部ともに幕ごとの料金の合計は4,000円(3階B席と同じ)になるようになっているので、特別割安になっているわけではありません。

一幕見席のメリット

歌舞伎の公演は四時間ぐらいの長丁場になり、値段も一番安い3階B席で4,000円になります。一幕見席の場合、自分の見たい演目や役者さんだけを選ぶことができ、時間とお金の節約にもなるのが最大のメリットです。

また、歌舞伎に興味があるので、ちょっと見てみたいけど4,000円は高いと思っている人が、お試しで見てみるのにも使えます

一幕見席のデメリット

一幕見席は入れるのは4階の専用席だけなので、劇場内にある展示物を見たり、売店やレストランを利用することはできません。そして舞台から一番遠くなってしまいます

最大のデメリットは、予約ができないのでチケットは当日券を劇場窓口で買わなければならないことです人気公演のときは長時間並んで、立ち見になることもあるので、初心者の人ではゆっくり歌舞伎を楽しむことはできないかもしれません。

一幕見席のお得な見方を紹介

歌舞伎座タワー内の歌舞伎座ギャラリー回廊

それでは、どうすれば初心者の人が一幕見席を一番お得に楽しむことができるのでしょうか? 具体的な一幕見席の楽しみ方を以下に紹介します。

銀ぶらのついでに行ってみる

銀座でぶらぶらとショッピングや食事を楽しむ“銀ぶら”のときに、ついでに歌舞伎座に寄って、すぐに一幕見席のチケットが買えそうなら観劇してみるのはいかがでしょうか。あくまで“銀ぶら”がメインで歌舞伎はおまけです。

浅草観光のときにちょっと足を伸ばしてもいいかもしれません。なお、一幕見席の当日の並び状況は後で解説しますが電話で確認できます。

歌舞伎座タワーを観光する

2013年に新しくなった歌舞伎座は、上階にある歌舞伎座ギャラリー歌舞伎に関する様々なものが展示され、体験コーナーなどもあります。また、地下の木挽町広場には歌舞伎グッズお土産がたくさん売られています。

歌舞伎座タワーの中を観光しながら、合間に一幕見席で歌舞伎観劇をしてみるのもいいですね。

座席に余裕がある演目を見に行く

人気のある役者さんや演目では、一幕見席は並んで立ち見になったり、下手をするとチケットが買えないということもあります。

役者や演目にこだわらないのであれば、空いていそうな演目を見に行くといいでしょう。混雑状況の確認の仕方はこの後解説します。



歌舞伎座の一幕見席の混雑状況

一幕見席に並んでチケットを購入する

歌舞伎座の一幕見席の混雑状況は、当日であれば以下の歌舞伎座の電話番号に問い合わせれば教えてくれます。

【歌舞伎座】
TEL:03-3545-6800(代)

次の発売開始まで何人が並んでいるのかなど、けっこう詳しく教えてくれるので、歌舞伎座の近くにいるときなら、それを聞いてから行くか行かないか判断してもいいでしょう。

また、公演が始まってから何日か経っているのなら、昨日の混雑状況や、土日と平日の様子などもある程度は電話で教えてもらえるので、いつ見に行くのがいいか参考になると思います。

歌舞伎座のチケットをウェブで購入できる、「松竹webチケット」に登録しているのなら、通常の座席の予約状況を見て、3階席がどれだけ埋まっているのかを見れば、ある程度一幕見席の混雑状況も予想できます。

歌舞伎座 2020/2/18 予約状況

歌舞伎座 2020/2/18 予約状況

上図は2020年2月18日に確認した歌舞伎座の2月公演の予約状況です。値段が一番手頃な3階B席から埋まっているのがわかります。

ということは、3階B席に空きがあれば、一幕見席も余裕がある可能性が高いのです。

予約状況は毎日変わるので注意が必要ですが、一つの目安としてぜひ参考にしてくださいね。

他にもTwitterをやっている人であれば、「歌舞伎座幕見」で検索すると、混雑状況を教えてもらえる場合があります。

歌舞伎座の一幕見席チケットの買い方

歌舞伎座一幕見席販売状況ボード

歌舞伎座一幕見席販売状況ボード

歌舞伎座の一幕見席は、観劇する時に、歌舞伎座の正面玄関左手にある一幕見席チケット売り場で当日券を購入することになります。

チケットの販売状況は上の写真にあるボードで知らせてくれます。また、案内係の人が必ずいるので、「一幕見席が見たいのですが」と聞けば、なんでも丁寧に教えてくれるので安心です。

チケットは同じ部の連続した幕であれば2枚、3枚同時に購入することができます。しかし、間が空く1幕と3幕を見たくても、2枚同時に購入することはできません。その際は、1幕を観た後に、もう一度並んで3幕のチケットを買うことになります。

歌舞伎座の一幕見席チケット

歌舞伎座の一幕見席チケット

また、一人が先に並んでおいて、遅れて来る友人の分もまとめて購入することはできません。あくまで一幕につき一人一枚です。遅れてきた友人を並んでいる自分の後ろに入れることも禁止となっています。なお、支払い方法は現金のみとなっています。

チケットには入場番号が振られており、開演の20分前までに4階幕見入場口に集まれば、その番号順に入場させてくれます。時間に遅れてしまうと後に回されてしまうので注意が必要です。

並んで購入するときは、夏場は暑さや熱中症対策で日傘や飲み物冬は寒さ対策で厚着やカイロなどを忘れないようにしましょう。

一幕見席以外の一般の座席の購入の仕方は以下を御覧ください。

歌舞伎座の一幕見席からの舞台の見え方

歌舞伎座一幕見席最前列からの眺め

歌舞伎座・一幕見席から眺めた舞台

一幕見席は舞台から一番遠くなりますが、実際の見え方はどのような感じでしょうか? 上の写真は一幕見席の最前列から舞台を見た様子です。

3階席と比べても、見え方にそれほど大きな差があるわけではありません。花道も七三しちさん(花道上で役者が演技をする見せ場)はぎりぎり見えます。

ただし、やはり距離が遠いので役者さんの表情を見るためにはオペラグラスなどが必要になります。また、座席は2列だけですが、前の座席は手すりが少し邪魔になるかもしれません。場合によっては立ち見のほうがむしろ見やすいかもしれませんね。

個人的には3階A席の前のほうがおすすめですが、3階B席にして浮いたお金で少し高いお弁当を食べてみたり一幕見席で昼の部と夜の部を一幕ずつ観てみるのもいいでしょう。

ぜひ、実際に歌舞伎座に足を運んで、自分なりの座席の選び方を研究してみてくださいね。

歌舞伎座の座席一覧

歌舞伎座の座席の一覧は、以下のリンクからご覧いただけます。
歌舞伎座座表(歌舞伎美人)

一幕見席は以下のリンクからご覧ください。
歌舞伎座一幕見席(歌舞伎座)

まとめ

歌舞伎座の一幕見席初心者の方が楽しむための方法を解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

一幕見席は自分の見たい幕(演目)だけを選んで安く観られるのは魅力ですが、予約ができなかったり、長時間並ばないと観られなかったりとデメリットもあります

お試しで比較的空いている公演を見に行くだけでなく、歌舞伎の芝居を見ること以外のことと組み合わせれば、もっと楽しみ方が広がります。

ぜひ、自分にあった一幕見席の楽しみ方を見つけてくださいね。

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