【2023年9月】歌舞伎公演情報　今年も二代目吉右衛門を偲ぶ秀山祭が開催！

令和5年（2023）9月の歌舞伎公演情報を、劇場や演目、配役などについて紹介していきます。

2023年9月の歌舞伎座は、二代目中村吉右衛門三回忌追善となる「秀山祭九月大歌舞伎」が開催され、吉右衛門にゆかりの松本幸四郎まつもとこうしろうや尾上菊之助おのえきくのすけ、播磨屋の役者が多く出演します。国立劇場では9月歌舞伎公演が行われ、7年ぶりに俳優祭も復活。博多座では市川團十郎白猿いちかわだんじゅうろうはくえんの襲名披露となる博多座九月大歌舞伎が行われ、京都南座では８月の歌舞伎座に続いて「新・水滸伝しん・すいこでん」が披露されます。

近畿最古の芝居小屋である永楽館では片岡愛之助かたおかあいのすけによる五日間の公演が行われ、8月末から始まった巡業公演「松竹大歌舞伎 西コース」も9月24日まで各地で開催されます。

ぜひ9月の歌舞伎観劇楽しむ参考にしてくださいね。

歌舞伎座

令和5年（2023）9月、歌舞伎の総本山とも言える歌舞伎座で行われる歌舞伎公演情報を紹介します。

歌舞伎座　秀山祭九月大歌舞伎

令和5年（2023）9月の歌舞伎座では、二代目中村吉右衛門の三回忌追善興行となる「秀山祭九月大歌舞伎しゅうざんさいくがつおおかぶき」が開催されます。吉右衛門に近い親戚関係になる役者や、屋号が同じ播磨屋の役者が多く出演します。

「秀山祭」について詳しくは以下の記事を御覧ください。

【歌舞伎】秀山祭（しゅうざんさい）とは？名優・中村吉右衛門を偲ぶ舞台を解説！

近年の歌舞伎座で9月の恒例となっているのが「秀山祭（しゅうざんさい）」ですが、そもそも“秀山祭”とはなんのお祭りなのでしょうか？ ここでは、九月の歌舞伎座恒例になっている秀山祭とはどういうイベントなのかについて、歌舞伎初心者の人にもわかりやすく解説していき、秀山祭のはじまりや歴史などについても紹介していきます。 秀山祭とは初代と二代目の中村吉右衛門を

昼の部　 「祇園祭礼信仰記」「土蜘」「二條城の清正」

昼の部では“金閣寺”の通称で有名な「祇園祭礼信仰記ぎおんさいれいしんこうき」に吉右衛門の娘婿・尾上菊之助、「土蜘つちぐも」では吉右衛門の甥・松本幸四郎が出演。中村米吉なかむらよねきちと中村児太郎なかむらこたろうの交互出演も注目です。二條城の清正にじょうじょうのきよまさには吉右衛門の兄・松本白鸚まつもとはくおうが主演します。

※中村福助が体調不良のため休演し中村児太郎が代役を勤めていましたが9/6から復帰します。詳しくはコチラ。
※「土蜘」に出演している松本幸四郎が体調不良のため9/20から休演しましたが9/24から復帰します。詳しくはコチラ。

歌舞伎演目「土蜘」について詳しくは以下の記事を御覧ください。

【歌舞伎】土蜘（つちぐも）のあらすじ解説　不気味な蜘蛛の糸が源頼光を襲う！

歌舞伎の演目「土蜘つちぐも」は、能の「土蜘蛛」を元に作られた長唄の舞踊劇で、不気味な土蜘の精が蜘蛛の糸を派手に投げかける場面が印象的な演目です。 尾上菊五郎家おのえきくごろうけのお家芸「新古演劇十種しんこえんげきじゅっしゅ」の一つでもあり、何度も上演される人気の演目でもあります。 この記事では、歌舞伎演目「土蜘」とはどういう演目なのかを、その成立

夜の部　 「菅原伝授手習鑑」「連獅子」「一本刀土俵入」

夜の部では、「菅原伝授手習鑑すがわらでんじゅてならいかがみ　車引くるまびき」に播磨屋の中村又五郎や中村歌六が出演します。「連獅子れんじし」では尾上菊之助が息子であり吉右衛門の孫である尾上丑之助おのえうしのすけと親子で共演。一本刀土俵入いっぽんがたなどひょういりでは松本幸四郎が主役を演じます。

※「一本刀土俵入」に出演している松本幸四郎が体調不良のため9/20から休演しましたが9/24から復帰します。詳しくはコチラ。

歌舞伎演目「連獅子」について詳しくは以下の記事を御覧ください。

歌舞伎「連獅子」迫力の毛振りに隠された意味は？あらすじや衣装も解説

歌舞伎の連獅子れんじしは、歌舞伎らしい派手な衣装と豪快な毛振りでとても人気がある、歌舞伎舞踊の演目です。 ここでは、連獅子のあらすじや毛振りの意味、歌舞伎役者の親子共演が多いこと、派手な衣装についてなど、まだ連獅子を見たことがない人にもわかりやすく解説します。 また、2019年のラグビーワールドカップのマスコットに連獅子をモデルにしたキャラクター

＞＞歌舞伎座「秀山祭九月大歌舞伎」の詳細はコチラ

国立劇場

令和5年（2023）9月の東京・国立劇場で行われる公演について紹介します。

通し狂言「妹背山婦女庭訓」

令和5年（2023）の国立劇場・大劇場は、「未来へつなぐ国立劇場プロジェクト・初代国立劇場さよなら公演」と銘打って行われます。9月は「通し狂言　妹背山婦女庭訓いもせやまおんなていきん」が上演されます。

＞＞令和5年9月歌舞伎公演「「妹背山婦女庭訓」の詳細はコチラ

俳優祭

令和5年（2023）9月28日、7年ぶりとなる俳優祭が開催されることになりました。

＞＞第39回　俳優祭の詳細はコチラ

京都南座

令和5年（2023）9月に行われる京都南座での歌舞伎公演について紹介します。

九月花形歌舞伎

令和5年（2023）9月の京都南座では、「九月花形歌舞伎」が開催され、8月に歌舞伎座で上演された「新・水滸伝しん・すいこでん」が、ほぼ同じ配役で上演され、中村隼人が再び宙乗りを披露します。

＞＞九月花形歌舞伎の詳細はコチラ

博多座

令和5年（2023）9月に行われる博多座公演について紹介します。

九月博多座大歌舞伎

令和5年（2023）9月の博多座では、市川團十郎白猿いちかわだんじゅうろうはくえん襲名披露公演となる九月博多座大歌舞伎が開催され、十三代目を襲名した市川團十郎白猿と八代目を襲名した市川新之助いちかわしんのすけの博多座での初公演となり、中村梅玉なかむらばいぎょくも出演します。

歌舞伎十八番「外郎売」「景清」について詳しくは以下の記事を御覧ください。

歌舞伎「外郎売」のあらすじを分かりやすく解説！有名な口上の長台詞も紹介

外郎売ういろううりとは、市川團十郎家のお家芸として有名な歌舞伎十八番の演目の一つです。 その劇中に語られる長台詞は、アナウンサーや声優の発声練習の早口言葉としてもとても有名なのはご存知でしょうか？ この記事では、外郎売の長台詞を全文ふりがなつきで紹介し、歌舞伎の演目としてのあらすじや登場人物について、長台詞をどれくらいの時間で読めるのかなどを、実

「景清」歌舞伎十八番のあらすじ紹介！戦い続けた男は伝説になった

歌舞伎の演目「景清かげきよ」とは、能や人形浄瑠璃としても上演され、市川團十郎いちかわだんじゅうろう家のお家芸である歌舞伎十八番の一つとして知られています。 また、景清をモデルとしたテレビゲーム「源平討魔伝げんぺいとうまでん」が作られたり、「バーチャロン」というテレビゲームでは架空のロボットに景清の名がつけれらてプラモデルまで発売されています。 こ

歌舞伎十八番「暫」について詳しくは以下の記事を御覧ください。

歌舞伎の演目「暫（しばらく）」とは？初心者が楽しめる6つのポイント

歌舞伎の登場人物で、一番派手で強くてかっこいいスーパーヒーローと言えば、「暫（しばらく）」の主人公・鎌倉権五郎かまくらごんごろうで間違いないでしょう！　豪勢で巨大な衣装に派手な隈取顔と蟹の足のような異様な髪型は、ひと目見たら決して忘れられないインパクトがあります。 2021年7月23日に行われた東京オリンピックの開会式では、十一代目市川海老蔵いちかわえ

＞＞六月博多座大歌舞伎の詳細はコチラ

永楽館

令和5年（2023）9月に開催される兵庫県・永楽館での歌舞伎の公演について紹介します。

第十三回　永楽館歌舞伎

近畿地方では最古の芝居小屋となる兵庫県・永楽館では、四年ぶりとなる永楽館歌舞伎が開催されます。座頭は第一回から勤めている片岡愛之助です。

＞＞第十三回　永楽館歌舞伎の詳細はコチラ

巡業公演

令和5年（2023）9月に開催される歌舞伎の巡業公演について紹介します。

松竹大歌舞伎　西コース

2023年8月31日から始まる松竹歌舞伎巡業公演・西コースが9月24日まで、神奈川、福島、静岡、三重、大阪、広島、島根、香川、徳島、東京、岐阜、岡山、大分、沖縄で開催されます。

※中村寿治郎が体調不良のため休演します。詳しくはコチラ

＞＞松竹大歌舞伎・西コースの詳細はコチラ

その他の公演

令和5年（2023）9月に行われる歌舞伎役者が出演する歌舞伎以外の公演や舞台を紹介します。

坂東玉三郎 PRESENTS PREMIUM SHOW

9/2〜9/24まで南青山のミュージックホール＆バー「BAROOM」で坂東玉三郎ばんどうたまさぶろうによる、「口上＆衣裳解説」と「コンサート」が開催されます。
＞＞坂東玉三郎 PRESENTS PREMIUM SHOWの詳細はコチラ

ミュージカル「スリル・ミー」

9/7〜10/3まで東京芸術劇場シアターウエストで行われるミュージカル「スリル・ミー」に尾上松也おのえまつやが出演します。
＞＞ミュージカル「スリル・ミー」の詳細はコチラ

まとめ：9月は秀山祭で盛り上がろう

令和5年（2023）9月の歌舞伎公演は、歌舞伎座では恒例の秀山祭が開催され、二代目中村吉右衛門にゆかりのある役者が多く登場します。国立劇場では「妹背山女庭訓」が上演され、京都南座では九月花形歌舞伎で8月の歌舞伎座でも上演された「新・水滸伝」で中村隼人が再び宙乗りに挑みます。市川團十郎は襲名披露公演で博多座に登場し、兵庫県・永楽館では四年ぶりに永楽館歌舞伎が復活、松竹歌舞伎巡業の西コースも各地で開催されます。そして７年ぶりに一日だけのお祭り「俳優祭」も復活です。

9月もぜひ歌舞伎の舞台を楽しんでくださいね。